誘い ページ5
4時間目、春翔くんは何かを私のノートの端に書き始めた。そこには『今度の日曜日、空いてる?』と書かれている。私が『うん、空いてるよ!』と書いてから数分後『僕・冬翔・桃花・琉奈ちゃんで遊園地行かない?』と書かれていた。春翔くんは肘をついてうたた寝をしていて、冬翔くんは熟睡。そして桃花は一生懸命先生の話を聞いてノートにまとめていた。
「えー、では次の問題を……中川春翔! 解いてみなさい」
「……ほぇ??」
春翔くんは目を覚ましたが何を聞かれたかは知っているはずもなく「る、琉奈ちゃん……今どこやってるの?」と聞いてくる。
「No.2の問題だよ!」
そして春翔くんは先生に怒られずに済んだのだった。
「――琉奈ちゃんっ、さっきは助けてくれてありがとね!」
春翔くんは授業終了後、すぐに話しかけてきた。
「あ、そう言えば遊園地……行く?」
「うん、もちろん!!」
「やった〜♪ ねぇねぇ、琉奈ちゃんも行くって!」
春翔くんはまだ眠っている冬翔くんの身体を揺らし、そう言った。
「はいはい、聞こえてるっつーの……あ、昼食」
弁当の匂いがしたからか冬翔くんは身体を起こして鞄から弁当を出し、食べ始める。
冬翔くん、お腹空いてたのかな……凄く早い。
「ごちそうさま。……屋上行ってくる」
早っ……冬翔くんってマイペースだなぁ……。
「――あっ、いたいた! 春翔ー!!」
「ん? 桃花どーひたの?」
ミートボールを食べていた春翔くんは桃花に呼ばれ「ちょっと行ってくるね」と言って廊下にいる桃花の方へ走っていく。そして、私が昼食を食べ終えた頃に2人が戻ってきた。
「琉奈ちゃん、さっきの話の続きなんだけど桃花が絶叫系ムリって事で3人で行く事になって……それでもいいかな?」
「ごめん琉奈、お化け屋敷とか苦手でさ……。3人で楽しんできなよ!」
「うん……、おみやげ買ってくるね!」
「ありがと♪ ちょっと散歩してくるね!」
桃花は私の耳元で「デート、楽しんできなよ♪」と言って席に戻っていった。
そしてデート……じゃなくて、遊園地に行く日。私は待ち合わせ場所の駅に行くと春翔くんは既に来ていて、壁に寄りかかってスマホを弄っていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2016年7月22日 21時