【オリジナル】twins cherry－２つのさくらんぼ－*１* (ページ3)

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＃３ページ3

｢青空……、お前……｣

｢すっ、すみませっ……｣

涙目になりながら３人で落ちたノートとワークを拾っていると。

｢もー、大丈夫？私も手伝うよ！｣

さっき春翔くんが手を振って呼んでいた桃花さんが、こっちに来て手伝ってくれた。そのおかげで、早く分別する事が出来た。

｢ふぅっ、これで全部だよね！ ……あっ、私は西園寺桃花！春翔達の幼なじみだよ。よろしく、琉奈ちゃん！｣

桃花ちゃんはそう言って教室へ戻っていく。私達は急いで職員室に運び、教室へ戻る。そしてその次の休み時間。

｢――へぇー、琉奈って独り暮らしなんだ!?｣

｢うん、親が他界しちゃって中学２年生から｣

｢じゃあさ、料理とかの家事全般できるの？｣

｢うん！マカロン、ゼリー、オムライス……あと、和菓子も近所の人に教えてもらったんだ｣

｢青空さん何でも出来るんだね!! 美人で可愛くて、しかも家事も出来て！いいお嫁さんになれそうじゃない？｣

春翔くんは癖っ毛の髪を指に絡ませながらそう言う。

｢そ、そうかなぁ？｣

｢うん、僕だったら絶対にお嫁さんにするよ!!｣

笑顔でそう言う春翔くんを見て、私は顔に熱が集まっていく気がして目を春翔くんから逸らした。

｢？青空さんどうしたの?? 顔赤いよ、熱でもあるのかなぁ？｣

そう言って春翔くんは私のおでこに手を当てようとしてくる。

｢なっ、何でもない!! 大丈夫だよ！｣

｢そう？ならいいけど……無理しないでね？｣

｢うん、本当に大丈夫だから気にしなくてもいいよ！あっ、そうそう……｣

私はそう言って話題を変え、再び話を始めた。そしてある日の放課後、掃除が終わった私は桃花と一緒に帰っていた。

｢……そう言えばさ、この前休み時間に春翔が『僕だったら絶対にお嫁さんにする』って言ってたじゃん？私と冬翔は気づいてるのに、春翔全く気づいてないらしいよ。春翔って琉奈の事大好きだよね～♪｣

｢えっ!? なっ、……何で!?｣

｢だってさー、授業中ずっと琉奈と話してるし、その時も目が『大好き!!』ってオーラ全開だし先生に怒られて話してなくてもほぼずっと琉奈見てるし｣

知らなかった……ていうか、何で分かるんだろう。桃花一番前なのに。

｢――ちょっとだけ羨ましいな……｣

｢……え？｣

｢あっ、何でもない！じゃ、また明日ね～!!｣

そう言って桃花は走っていった。数分後、私も自分の家に着いて玄関のドアを開けた。