【オリジナル】twins cherry－２つのさくらんぼ－*１* (ページ14)

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＃２ページ14

｢１匹だけかぁ～……｣

｢琉奈ちゃん、僕が取った金魚半分あげよっか？｣

｢えっ、……いいの!?｣

｢うん！こんなに持って帰ったら冬翔がうるさいもん｣

｢……そっか、ありがと春翔くん！｣

それから数分後、私達が道を歩いていると春翔くんの手が触れた。

｢!! ごっ、ごめん春翔くん……｣

｢……手、繋ぐ？人多いし、はぐれないように｣

｢えっ、あ、うん！｣

｢……そろそろ花火打ち上がると思うし、川辺に行こっか！｣

春翔くんは私の手をそっと握り、川辺に向かう。そこはあまり人がいなく、少し暗くて静かな場所だった。

｢ここね、他の人があまり来ないから見えやすいんだよ！しかも、暗いから花火がより一層輝いて見えるの！｣

春翔くん、地元だから詳しいんだ……。

｢あ！打ち上がったよ！｣

そう言われて夜空を見上げると、色とりどりの花火が次々と打ち上げられていた。

｢……キレイだね｣

そう言った春翔くんは私の方を向き、ニコリと笑みを浮かべた。

｢うん、キレイだね｣

そうだった、私……告白しなきゃ……！
私は深呼吸をし、空を見上げて花火を眺めている春翔くんの方を向く。

｢――好きです!!｣

そう言った瞬間、今日一番であろうと思われる大きな花火が打ち上がった。
春翔くんに、伝わったかなぁ……？

｢今の凄く大きかったね！ ……琉奈ちゃん？どうしたの？｣

｢……ううん、何でもないっ｣

私は少しぎこちない笑顔でそう言う。
伝わらなかった……。
だけど私は何となくホッとしていたのだった。