【オリジナル】twins cherry－２つのさくらんぼ－*１* (ページ11)

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＃３ページ11

｢あ、あの……春翔くん。５時間目終わったよ？｣

｢ん……琉奈ちゃんありがとね、おかげで気持ちが落ち着いたよ。……教室、戻ろっか｣

そう言って春翔くんはメモ帳に伝言を書いて机に置き、２人で保健室を出て教室へ向かった。
……もうそろそろで教室だ、春翔くんはどんな顔をして教室に入るんだろう。

｢――たっだいま～♪ 冬翔っ、次って授業あったっけ？｣

そう言って春翔くんは冬翔くんの方へ走っていった。
……さ、さっきまでの春翔くんはいずこへ……？

｢あっ、琉奈おかえりー！ ……春翔治ったの？｣

｢うん、実は春翔くん……泣いてた｣

｢え、あの春翔が!? 転んでも泣かなかったあの春翔が!?｣

｢琉ー奈ーちゃんっ♪｣

私達が話していると、冬翔くんと話していた春翔くんが来た。

｢最近、近くにスイーツ屋が出来たらしいから行こうよ！琉奈ちゃんは甘い物、好き？｣

｢うん、大好き!!｣

新しいスイーツのレシピ、覚えたいし！

｢あ！私も行きたーい!!｣

｢えーっ、桃花はダメ!! ……行こっ、琉奈ちゃん！｣

春翔くんが私の手を引いて連れてきたのは、看板に｢本日開店!!｣と書かれている洋風のスイーツ店。私達はその店の中に入り、窓際の席に座った。

｢琉奈ちゃん、パフェ好きなの？｣

私がパフェのメニューを眺めていると、そう聞いてきた。

｢うん！それに作った事ないから作ろうかなーって思ってて｣

｢そっか！あ、僕のチョコケーキ少しあげるからパフェ少しちょうだい？｣

何か、春翔くんといると和むなー……。
リスのようにケーキを頬張っていて、その様子がとても可愛らしい。
……って、男子に『可愛い』はダメか。

｢……あのさ、琉奈ちゃん｣

｢うん？｣

｢……もうすぐ夏休みだね｣

｢？ ……うん｣

｢夏休み……遊べる？｣

｢うん、遊べるよ｣

｢えっと、あの……そのっ……｣

春翔くん、どうしたんだろう……？