【オリジナル】twins cherry－２つのさくらんぼ－*１* (ページ2)

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＃２ページ2

｢ううん、大丈夫!! でも、本当に彼女じゃないの？｣

｢桃花は小学生からの幼なじみだよ。冬翔も｣

｢冬翔??｣

｢あ、冬翔は僕のお兄ちゃんで他の人に素直になれないけど家の中では僕にデレデレなの！｣

｢……春翔。全部聞こえてるぞ｣

中川くんと話していると、私の左側の席の男子が話しかけてきた。

｢あっ、そっか！冬翔も青空さんの隣だったんだっけ｣

へぇー、この人が中川くんのお兄さん――って事は……双子!?

｢青空……？誰？｣

中川くんのお兄さんは、あくびをしながらそう言った。

｢もうっ、また冬翔ったら遅刻したの!?｣

｢違う。ここで寝てただけ｣

『同じじゃん!!』

つい私もそうツッコんでしまった。すると、突然私の後ろから影がかかる。振り返ってみると、そこには理科担当の海堂先生が立っていた。

｢中川兄弟と青空……静かにしなさい。授業後、俺の所な｣

『はぁーい……』

｢……チッ｣

そして休み時間、私達は海堂先生のいる教壇に行った。

｢このクラスの全員分のノートとワーク、実験器具を職員室に運んでおいてくれ｣

そう言って海堂先生は教室をスタスタと出ていく。私はノート、春翔くんは実験器具、そして冬翔くんはワークを持って教室を出た。

｢もうっ、中川くんのせいで――｣

『え、どっち？』

２人は振り向き、そう言う。
そうだった、どっちも“中川”だ……。

｢えっと……、春翔くんの方｣

｢えーっ、僕!? 何で!?｣

｢だって最初に話しかけてきたの、春翔くんだし｣

｢うっ、そうだった……あっ、桃花ーっ!!｣

春翔くんは実験器具を片手で持ち、前から来た子に手を大きく手を振った。

｢！春翔、危ない!!｣

その子がそう言った瞬間、冬翔くんが私にワークを持たせて落ちそうになっている実験器具を間一髪で支えた。

｢ハァー……春翔、危ないだろ｣

｢ごめんね、冬翔……｣

そして私が安堵のため息をついた時、バサササッという音を立てて私が持っていたノートと冬翔くんが私に持たせてきたワークが私達の前に散らばった。冬翔くんは、冷やかな目で私を見ている。