【wrwrd!】*BL短編集*

【ショピ×コネ】ずる賢いヤンデレ。 *凛音様リク ページ32

「コネシマ先輩」

「ん？」

「好きです」

「俺も」

「どこにも行かないで」

「分かった分かった。そばにいとくから」


こんな会話をするのはショッピ君だけ。
ショッピ君がこんなことを言ってくるのも俺だけ。ショッピ君には俺しか見えてなくて俺にはショッピ君だけしか見えてない。

ただ少し違和感があってなかなかその違和感から抜け出せない。

前は普通に接(愛)してくれていたのに、今では手錠を持ちかけてきたり「逃がさない」「俺だけ見てよ」とか奇妙な言葉を俺に向けたり。

でも皆の前だと素っ気ない雰囲気で少しムッとする。まぁ生きづらいこのご時世、同性愛者が身近で存在すれば誰もが偏見を持つ。国に寄るかもしれないが、日本人は誰もが持つんじゃないか。

誰だって「同性愛者」というレッテルが貼られているやつになんか構いもしないと思う。
絡んだとしても相当話しにくいんじゃないだろうか。それなら分かる。

＿＿__だが、ショッピ君はそれとは違うような気がする。いや、俺が勝手に女々しくなっているだけか？

「コネシマ先輩、なんで皆と話すんですか」

ショッピ君だって皆と話してるやないか。
挙句には俺にだけ素っ気ない態度で、ただのノリなだけかもしれないが、俺はフレンドリーに話しかけているのに、どうして。

「なぁ、ショッピくん」

「なんすか？コネシマ先輩」

「…えっと、」

緊張してどう説明すればいいのか分からなくなって「えっとな、その、」とあたふたしながら必死に次の言葉を考える。
自分から行ったくせに逃げたいような思いでいっぱいだったが、ショッピ君は「ゆっくりでいいんすよ」と微笑したので、ショッピ君が作ってくれたこの場の空気に甘えることにした。

「あのな、僕ら付き合ってるやん？」

「僕」に一人称が変わるのも緊張のせい。

「っすね。それがどうしたんすか？」

「ショッピくん、2人だけなら普通に、こう、話しかけてくれるのになんで皆の前だと俺だけに素っ気ないん？」

いつもいつもそうだ。
ショッピくんが皆とわいわい話している時。
ショッピくんが俺に変な態度を取る時。

不安でいっぱいになって、ギュッと胸が締め付けられる。例え2人になればちゃんと話してくれていても。

少し空気が曇ったような気がして、唇を噛んで視線を外す。

するとショッピくんは恐ろしいほどに口角を上げてニィ、としながら言った。

「…もしかして、俺に嫉妬しました？」

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