【トン×ゾム】寄り添い *もる様リク ページ21
「…ふんっ」
我々だ以外の軍達がここに向かってくる度に、
俺は何度もナイフを振り回し、敵を惨殺する。
前方からも後方からも敵はやってくるため、ほんの一瞬の油断もしてはいけない。
俺の今のミッションは、我々だ軍の総統、グル氏が居座っている城を守る事。
侵入されてはいけないのだ。
「守る」そう決意し、1人の相手とナイフ同士で戦う。だが相手も避けが上手く、なかなかナイフの先が奴に当たらない。
「ちっ…」
何度か腹や首、足を狙うが、やはり当たらない。そろそろ苛ついてきた。
むちゃくちゃになりながら、やけくそにナイフを相手に振っており、そいつに意識がいっていた俺は背後の存在に全く気付かなかった。
後ろから銃でナイフを撃たれ、手に持っていたはずのナイフが一瞬にして吹っ飛んだ。
「…!…」
隙を、見せてしまった。
背後の者は俺の一瞬の隙も見逃してはくれず、
後ろから俺の首を腕で掴み、そのまま後ろに押し倒された。
「…ぐ、ぅ…!」
押し倒される時の衝動と、首絞の苦しさで思わず呻きをあげていると、首を掴んでいた手は自分の腕へと移動し、そのかわりに首にはナイフが当てられた。
「…はは」
乾いた笑いを力なく吐き出して、全てを諦めたように全身の力を抜く。
元はと言えば一方の相手に集中しすぎた俺が悪いのだ。
ああ、城には侵入されてしまっただろうか。
いや、中にはオスマンと大先生がいる、きっと大丈夫だ。大先生は無能を発揮するなよ。
そうふっと笑って、俺は少しずつゆっくりと目を閉じた。
次に痛みと意識が飛んでいくのを思い浮かべながら。
しかし、残念ながら痛みも何もこなかった。
その代わり、銃で撃ったような鈍い音と
ザシュッと衣と何かが掠ったような音が、俺には届いた。
自分が生きている事をしっかりと確認して、
今度はさっと目をあける。
「…っ、ふ、はぁ…!…はあ…」
前にはナイフと銃を両手に、苦しそうに腹を抑えて息を吸き吐きしているトン氏がいた。
倒れそうになるのを瞬時に理解して、すぐさま立ち上がりトン氏を支える。
「…っ、トントン、大丈夫?ごめんな…俺のせやな…」
「あや、まる、より先に、っ、感謝せえ。俺が命がけで守らへんかったらお前、今頃…っ、ぅ…はぁ、死んでるんやぞ」
「…!っ、あ…ありがとう」
トン氏は苦しそうに息を吐きながらも、優しく微笑んでくれる。それに涙がでそうになったが、ギリギリで抑えた。
*****
続きます
もる様、リクエストありがとうございました!
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🕊️🌿 - 初コメ失礼しますm(_ _)mリクエストで、ショッピくんが高熱で倒れるのが見たいです!できれば嘔吐ありでお願いしたいです(*‘ω‘ *) (9月22日 2時) (レス) @page28 id: 7d2555b9b8 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ut受け最高すぎる!!!!♪♪♪♪♪♪♪♪ (5月28日 12時) (レス) id: 56e71e75b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨やどり。 - 初コメ失礼します!表現仕方や言葉使いなど、凄い大好きです!推させて頂きます♡ (2023年2月13日 5時) (レス) @page39 id: 7226bc51c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして!コメント失礼致します。私はよくピクシブの方見てるので、移行されるのであればついていきます!! (2023年1月1日 19時) (レス) @page39 id: 68da594d82 (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ団子 - ദി ᷇ᵕ ᷆ )♡ (2022年9月7日 21時) (レス) @page15 id: 1c3b522674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Iris(アイリス) x他1人 | 作者ホームページ:( ˘ω˘ )スヤァ… ( ˘ω゜)… ( ˘ω˘ )スヤァ…
作成日時:2018年12月19日 1時