【文スト】時を操りし少女は何を思う 壱篇

・ ページ40

国木田「それができるのは四年後だ」

「そいつらは新人か？」

敦「！━━━━中島敦です」

A「浅田Aです」

六蔵「オイラの名前は田口六蔵……情報屋だ。金次第で調べられない事はねぇぜ」

国木田「それでタレこみの主が誰か判ったか？」

六蔵「……蒼の使徒」

国木田「何？」

六蔵「サーバーにデータが残ってた。後は誘拐事件被害者くれぇだな」

六蔵さんは四枚ほどの写真を無造作に差し出した

六蔵「けど、そいつは悪者じゃねーんだろ？犯人のアジトを教えてくれた訳だし」

けど、その情報が罠なんて事も考えられますよね

国木田「蒼の使徒か……引き続き調査を頼みたい」

六蔵「気が向いたらな……オイラは熱帯魚の世話で忙しいんだ」

━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━
━━━━━━
in コンテナターミナル前

国木田「━━━━━━━ああ、よろしく頼む」

国木田さんの電話が終わったようです

国木田「タクシーを呼んだ。これから依頼のあった廃病院に向かう」

太宰「国木田君は何故、六蔵少年の面倒を見ているの？」

国木田「どういう意味だ？」

太宰「非合法のハッカーに仕事を回すなんて……国木田君らしくないし、今日も電話で済む話にこうやって足を運んでいる……確か彼の父上は亡くなっていたよね。父親代わりのつもり？」

国木田「ここに来たのは小僧と小娘に情報屋との顔合わせをさせる為だ。それ以上の意味は無い」

太宰「ま、そういう事にしておこうか」

あ、タクシーがきたようです

そして、私たち四人の傍らに停まりました

助手席に国木田さんが、後ろに私と敦さん、太宰さんが座りました

国木田「この運転手も情報屋の一人で、もと舞台役者だ」

運転手「全然売れなくて。それで転職したんです」

国木田「転職して正解だ。俺の知る限りでは、彼は誰よりもこのヨコハマの地理に詳しいし、今回の連続失踪事件でも十一人の被害者のうち二人を失踪直前に目撃している」

運転手「目撃したと云っても、港からホテルまで乗せただけですから」

敦「本当に誘拐なんですかね。身代金の要求もないし……」

というかここの道、揺れますね…

国木田さんは「乗せた二人はこの人物で間違いないか？」と運転手さんに写真を見せる

運転手「ええ。間違いありません。服装も同じです」

すると、太宰さんは国木田さんの持っていた写真を奪っていきました

━━━━━━━━━━━━━━━
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩

・→←またまたアンケート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す