Bitter Caramel ~tk×ar~ (ページ19)

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「噂、あいつに流されてるだろ。」

「うん。まぁ…」

「おれの耳にも入ってきてる。光の時も、そうだった。光はそのせいでいじめられて。しかもあいつどこでめキスとか…まぁ、そーゆーこととか求めるから余計に炎上しちゃって。不登校になったんだ、光。その時には同居してた家を出てきて、おれのもとに戻ってきたけど。」

「…」

「それからは結構静かに過ごしてた。勉強もおれが教えてたし、あいつも連絡してこない。おれは大丈夫だと思ってたんだ。でもある日、学校に行って、授業を受けて、昼休憩だってなった時、光が学校の屋上から飛び降りたって話を聞いた。人違いだと思ったよ。だって家にいるはずだから。でも、お母さんに連絡しても、光は家にいない。って言うから、本当なんだ、って。…警察の人が事情聴取をするのにおれも加わって、もちろんあいつもいて、あいつ、『おれは、止めようとしました。でも、気がついたら、飛び降りてて…いなくって、それで…』って言って泣き崩れた。嘘だ、と思った。あれだけ光が嫌がってたやつだし、なにか隠してると思ったんだ。」

「…でも、有岡くんはそんな嘘つかないと思います。」

「いま嘘をつかないから？例えば、それが光のことがあって、罪滅ぼしみたいに考えていたとしたら？」

「っ…」

「おれは後日、あいつに聞きに言ったんだ。『本当にお前は殺してないのか』って。そしたらクスッと笑って、『殺すわけないじゃん。光が勝手に飛び降りたんだよ？』って、笑いながら言われたんだ。次の瞬間、あいつを殴ってた。先生が止めにくるまで殴って、気づいた時にはあいつの右腕は折れてた。」

「…」

「そこまでしか知らない。結局、教えてもらえなかったから。」

「ありがとう。辛いこと言わせちゃって、」

「良いよ、それは。いずれ言わなきゃいけないことだし。」

「うん…」

そんな過去があったなんて…ほんとに人に興味がなかったんだな…

「だから、高木も気を付けた方がいい。あいつは危険だ。でも、ケーキだ。」

「いなきゃいけないからね。おれが壊れる。」

「大変なんだな、フォークも、ケーキも。」

「話せる人が増えればそんなに苦じゃないよ。」

「たまに、話聞かせてよ。なにか光のことが分かったら、とかさ。」

「うん、もちろん。」