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「ここ、空いてる?」
「あ、うん。どうぞ。」
「ありがとう。」
ある日の昼。いつものように食堂で昼ご飯を食べていた時のこと。
普通に美味しいカレーを口に入れながら、はぁ、とため息をつく。
「?美味しくないの?そのカレー。」
「え?」
さっき横に座った小柄な男性に話しかけられる。
不意に、鼻につく甘い香りがしたような気がした。
「いや、…別に、そんなことは、ないよ…」
やっぱり、甘い匂いがする。
なんだ…?…
…彼から?いやいや、そんなはず…
「ふーん。そっか。。あ、悩み事?おれでよければ相談のるよ?」
「う、ううん。全然、そんな悩み事とかじゃないから。」
明らかに挙動不審だ。くそ。匂いが気になる…
「ありがとう。優しいんだね。」
「全然いいよ。君、高木くんでしょ?」
「え、なんで知ってるの?」
「仮にも同じクラスなんだけど?」
「あ…ごめん。あんまり、クラスメートとは、話したり、しないから…」
「人見知りなんだね。いっつも一人でいるから。」
「ま、まぁ…」
「そんでもってさぁ…」
スプーンを持っていた右手にスッ、と彼の手が重ねられる。
「“フォーク”。だったりするんじゃない?」
「!?」
脈拍があがって、だんだん顔が紅潮し、冷や汗が垂れてくる。
まさか、この人…おれのこと、知ってるのか…!?
「まぁ、食堂で詳しくは説明できないから、屋上いこ。」
「え、あ、うん…」
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作者名:香音 | 作成日時:2017年10月22日 11時