前からずっと ページ10
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『ねぇねぇユンギくんユンギくんユンギくん』
YG「はいはいAちゃんAちゃんAちゃん」
『ソクジン先輩って、ズルイ人だよね。』
私のその言葉にゆっくりとスマホから視線を上げ私を見つめるユンギ
YG「……どうした、急に」
『急じゃ無いよ。結構前から思ってるよ。』
足元の雑草を引きちぎりそれを重ねてはまた引きちぎる、そんな私の手元を何とも言えない瞳でユンギは見下ろしている
ソクジン先輩はズルイ人だと、思っていた。前から。
全て彼の計算で出来ていて私は彼の都合の良い駒でしか無い。なのに
『…期待しちゃうんだよね。』
小さく小さくポツリと呟いたその言葉はどうやら小さ過ぎて隣のユンギの耳には届かなかったらしい
いつの間にか私の雑草千切はユンギにも移っていて彼の前にも雑草の小さな山が出来ていた。
YG「これ、意外と楽しいじゃん」
『私よりはまってんね』
彼の草を摘む白い指を見るとほんのり土が着いていて、払ってあげようと手を伸ばすも
後ろから伸びて来た手によって、パシッと手首を掴まれて阻止されてしまった。
『あ…
JN「お待たせ。」
私の手を掴んだのはソクジン先輩でニッコリ微笑み私達を見下ろしていた。
YG「ヒョン、日直終わったの?」
JN「うん、ユンギ一緒に待っててくれたんだ。ありがとう」
YG「いえいえ、じゃあA、またね。」
『うん、バイバイ。』
ふらりふらりと土が少し着いたままの手を揺らし去って行くユンギの背中を見つめていると
するりと指を絡ませて恋人繋ぎになる私とソクジン先輩の手。
視線をソクジン先輩に向ければ
JN「帰ろっか」なんて当たり前の様に呟いた。
『手…離して下さい。』
JN「え、やだ」
『2人きりの時は恋人じゃないです』
そんな私の言葉何てまるで聞こえませんと、言うかの様に無視して歩き出す先輩。
そんな先輩に少しイラッとしていきなり立ち止まってみると、ゆっくりと振り向いた先輩は真っ直ぐに私を見つめて
JN「だってA、暖かいんだもん」
JN「Aと手繋ぐの好きだよ。」
なんて優しく微笑み呟くから
また胸が苦しくなった。
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葵(プロフ) - 架純さん» コメントありがとうございます。返信だいぶ遅くなってしまい申し訳ありません!そう言って頂けて嬉しい計りです…最後までありがとうございました。 (2020年6月7日 19時) (レス) id: 7e4da3a66e (このIDを非表示/違反報告)
架純 - ごめんなさい。完結です。本当に更新されるのが楽しみな作品でした!最後まで読むことができて幸せでした。 (2020年5月11日 23時) (レス) id: 5bc4c38947 (このIDを非表示/違反報告)
架純 - 間欠、お疲れ様です。惹かれる、素敵な作品を読ませてくださり、ありがとうございました! (2020年5月11日 23時) (レス) id: 5bc4c38947 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 舞子さん» 舞子さんコメントありがとうございます。もう、その様に言って頂けて嬉しく有難い計りでございます。更新中々出来ずでお待たせしてしまいすみませんでした。私もまた彼らを描けたらと思っております。最後までお読み頂きありがとうございました。 (2020年5月11日 3時) (レス) id: 53c331a9e9 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - 葵さん、素敵な作品をありがとうございました。偽物彼女の世界観に浸れた日々はとても幸せでした。ユンギくんの気持ちが最後に切なく描かれて涙が出ました。またどこかで彼らに会えたら嬉しいです。お疲れ様でした (2020年5月11日 3時) (レス) id: acc8d9f98e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2020年2月10日 2時