ニセモノ ページ3
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校舎の外に出ると冷たい風が全身に吹き付け
少し距離を開け、隣りを歩いているソクジン先輩は寒いとポツリと呟くと自身のマフラーを口元まで上げた。
そんなソクジン先輩の真似をして私もマフラーを口元までちょんっと上げると、真似っこ、なんて笑う彼
2月の半ばに差し掛かりそうな今、気温はまだまだ低い
学校の門を出て、2人小幅を合わせて歩く
くっつきそうでくっつかない、そんな距離を置きながら。
そんな私達はきっと側から見れば普通の恋人に見えるだろう
でも違う。恋人は恋人でも
私は偽物の彼女で彼は偽物の彼氏
私達は恋人を演じて居るだけ。
丁度1年前の今頃言われた、彼からの「偽物彼女になって欲しい」そんなお願いを私は簡単に受け入れた。
理由は簡単 ただ面白そう、そう思ったのと
ソクジン先輩は一体どんな恋愛をするんだろう、どんな風に自分の彼女を扱うのだろう…なんて、彼と絡む度に思っていた私
ほんの少しソクジン先輩に惹かれて居た、だからすんなりと受け入れたんだ。
一応…毎日バナナウユを奢ってくれるならと条件を付けて
JN「今日も家まで送るよ」
ニッコリ笑ってそう言ったソクジン先輩の頰は寒さからかほんのり赤い。
彼氏のソクジン先輩は優しい。
お昼休みはいつも教室まで迎えに来てくれて
食堂で一緒にご飯を食べる
勉強が分からなければ教えてくれる
廊下では私の手を握り優しく笑い掛けてくれる
沢山面白い話をしてくれる
まさにハイスペックな彼氏だ。
それにイケメンで高身長でスタイルも抜群で面白い、そんな見た目や性格から、周りの女子をいとも簡単に落としてしまう。
でも彼は周りには目もくれない。どんなに魅力的な女子が迫って来ても彼は彼女から視線を離さない
そう、ソクジン先輩の愛する人
『いえ、大丈夫です。1人で帰れます、また明日。』
それは私じゃない。
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葵(プロフ) - 架純さん» コメントありがとうございます。返信だいぶ遅くなってしまい申し訳ありません!そう言って頂けて嬉しい計りです…最後までありがとうございました。 (2020年6月7日 19時) (レス) id: 7e4da3a66e (このIDを非表示/違反報告)
架純 - ごめんなさい。完結です。本当に更新されるのが楽しみな作品でした!最後まで読むことができて幸せでした。 (2020年5月11日 23時) (レス) id: 5bc4c38947 (このIDを非表示/違反報告)
架純 - 間欠、お疲れ様です。惹かれる、素敵な作品を読ませてくださり、ありがとうございました! (2020年5月11日 23時) (レス) id: 5bc4c38947 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 舞子さん» 舞子さんコメントありがとうございます。もう、その様に言って頂けて嬉しく有難い計りでございます。更新中々出来ずでお待たせしてしまいすみませんでした。私もまた彼らを描けたらと思っております。最後までお読み頂きありがとうございました。 (2020年5月11日 3時) (レス) id: 53c331a9e9 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - 葵さん、素敵な作品をありがとうございました。偽物彼女の世界観に浸れた日々はとても幸せでした。ユンギくんの気持ちが最後に切なく描かれて涙が出ました。またどこかで彼らに会えたら嬉しいです。お疲れ様でした (2020年5月11日 3時) (レス) id: acc8d9f98e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2020年2月10日 2時