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『ジミンくん…目が凄い腫れてる、』
そう言ってふんわり微笑む彼女

久しぶりに僕に向けられるその優しい瞳に暖かい物が込み上げて来て、何だか擽ったくなる

「…Aも、腫れちゃってる」
彼女の髪を撫でながら泣き過ぎて腫れぼったくなってしまった彼女の瞼をなぞると、くすぐったいよ…なんて笑うから愛しくて愛しくてぎゅっとまた抱き締めた。






集会を兄妹揃ってサボり更に泣き腫らした顔で現れた僕達に驚いていた担任や周りの同級生
でも…そんな中キムテヒョンが今まで見た事無い…穏やかな表情で僕を観ていた


彼が言った通り僕は彼女の気持ちがきちんと観えて居なかった…いや、観ない様にしていたんだ

「僕達の兄妹関係なんてとっくに壊れてる」
そう口にしたものの、僕達は切っても切れない義理とは言っても兄妹な訳でその事実を変える事は出来ない


だからずっと心の何処かで引っかかっていて
自分で結ぼうとしている糸を結ぶ寸前で拒否していた。

それに僕が彼女にしてきた様々な行動や言葉から
彼女に嫌われているのは当たり前そう思っていたのに


『…ジミンくん、大好きだよ』

僕の予想とは真逆で彼女は僕を愛していた。

 



 



 
いつもは乱暴に彼女の手を引くのに今日はゆっくりと優しく手を引き

いつもは彼女の有無を聞かずに唇を塞ぐのに今日は頰やおでこ、瞼に優しい触れるだけのキスを落として行く

『ふふ、ジミンくんくすぐったいよ』
そう小さく呟いて優しい偽りの無い笑顔をみせる彼女


ぎゅっと抱き締めれば僕より小さい腕が僕の背中に回されて同じ様に僕を包んでくれる

こんな日が来るなんて想像もしなかった、



 

「A、酷い事沢山してごめん…沢山言ってごめん。」

『…うん』

「でも僕は心からAを愛してる、Aだけを愛してるよ」

愛している事を伝えられて、愛しい彼女をありのままの自分で抱き締められる事が幸せで…

やっと心が繋がった僕達



「何があっても離さないから」

今はバイトの事とかこれからの事とか何も考えずに
ただこれからもずっとAを離さない、そう思った。





 



 


なのに





 


 

「……A、?」






朝目を覚ますと、抱き締めて眠ったAの姿が無かった。




妙な違和感と嫌な予感がして
急いで全ての部屋を回る、



 


でも何処にも彼女は居なくて、
電話を掛けても繋がらなくて

僕はリビングに立ち尽くした。


 


その日Aは帰って来なかった。
.

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設定タグ:bts , 防弾少年団 , ジミン   
作品ジャンル:恋愛
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てこのてこん(プロフ) - 素晴らしいです。上からみたいになってたら大変申し訳ないのですが、本当に凄いです。 (2023年4月5日 21時) (レス) @page50 id: 46c510bf24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき(プロフ) - 今まで私が読んできた作品の中で一番感動した作品です!!!これからこれ以上の作品に出会えるのか、、、、笑笑また一から読み返してきます!!!!葵さん好き!!!!! (2022年2月5日 21時) (レス) @page50 id: 59021a9541 (このIDを非表示/違反報告)
- 最初ジミン最低だと思った私をどうぞ殴ってくださいwすごく面白かったです! (2020年8月30日 18時) (レス) id: 2ba33df001 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 塩飴さん» 塩飴さんこちらにもコメント大変ありがとうございます!思っていたよりもだいぶ長編になってしまって…色々と不安もあったので、この様な感想を頂けて嬉しさと安心で一杯になっています(;_;)本当にありがとうございます! (2020年8月1日 17時) (レス) id: 7e4da3a66e (このIDを非表示/違反報告)
塩飴 - キュンキュンしてました...(ピョンテ)ジミンクズやんけって思ってたんですけど途中から涙止まらなくて...ホソクテテアインナムジングクユンギに両親...すごく愛に包まれてますね。所々キュンキュンして、ハラハラして、面白かった。ドラマ化して欲しいです笑最高でした! (2020年7月24日 1時) (レス) id: 01cc0b77a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月1日 11時

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