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「ごめん。僕、Aを守るって
 約束したのに…守れなかった。
 ジョングギ…僕、Aを
 守れなかったんだ。」


そう言ったジミニヒョンの表情は酷くやつれて居て、今にも涙が溢れそうな瞳をしていたのをよく覚えている。



 

 


 


Aが居なくなり、3年が経った。

この3年間。
俺もジミニヒョンもAを探し続けた。
でも、見つからなかった。

あの時と同じ様に。

 



 

 


ジミニヒョンは俺に言った。



「僕はAを連れ去った人と
 あの日すれ違った。
 あの段ボールの中にAが居たんだ…。」

何故自分はあの時気付けなかったのかと、
自分自身を責め涙を流すジミニヒョンに酷く胸が痛んだ。



 

それからジミニヒョンは1年間精神科に通う程、自分自身を追い詰めてしまった。

 




 

でも。
そこから2年経った今。
ジミニヒョンは落ち着き、前と同じ様に仕事もこなし、全て戻りつつある。

けど。
ジミニヒョン自身は気付いていないが
時折虚な表情を浮かべる事がある。





 



 

 
だから俺は言った。


 

「もう、探すのは辞めましょう。」



これ以上はもう意味が無いと。




 



 

ジミニヒョンはぎこちなく微笑んで静かに涙を流しながら小さく頷いた。

多分、分かっていたんだと思う。

 


もう自分にAは戻って来ないと。




ジミニヒョンは分かっていたんだ。







 

 



 




 
でも

全てを分かっては居ない。


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(プロフ) - rikurikurikuさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。そう言ってもらえてとても嬉しく思います。完全素人です…言葉間違い、可笑しい部分もありますが、楽しんで頂けたら幸いです。 (2021年6月24日 13時) (レス) id: d19507b391 (このIDを非表示/違反報告)
rikurikuriku(プロフ) - 読んで鳥肌が立ちました…。こんなことは初めてです。どの作品も凄い!すごく引き込まれます。素人の方ではないですよね? (2021年6月20日 13時) (レス) id: a0f3b29227 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ヨバラズさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。その様に言って頂けて有り難いばかりです、ありがとうございます!! (2020年7月9日 16時) (レス) id: 7e4da3a66e (このIDを非表示/違反報告)
ヨバラズ(プロフ) - 一気に読ませて頂きました!言葉一つ一つに飲み込まれるようでした。台詞の少なさがまた、恐怖心や切なさ、喪失感を煽っていてとても面白かったです! (2020年7月3日 1時) (レス) id: 287b2c606f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます。お話楽しんで頂けて嬉しく安心しております!最後まで読んで頂きありがとうございました。また新作の方でお会い出来たら嬉しいです! (2020年6月6日 8時) (レス) id: 7e4da3a66e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月10日 23時

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