家族のことが、大切だから (ページ10)

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１５６話ページ10

『…じゃあ、そろそろ私は見張り番変わってくるよ』

ﾃｨｰﾁ「あぁ、頑張れよ」

『ありがと、じゃあね』

ガチャ…

＿＿＿

一番高い所の人と交代するのだったはず。

甲板からマストに登り一番上の見張り台に上がる。

そこに居たのはハルタだった。

『ハルタ、お疲れ様。交代だよ』

ﾊﾙﾀ「おはようA。それじゃよろしくね」

『うん』

見張り台に上がったとき、遠くで影が見えた。

『…の、前にさ』

ﾊﾙﾀ「どうしたの？」

『…あれって、敵船かな』

ﾊﾙﾀ「えっ？どれ？」

もう一度ハルタも見張り台に上がって来たので双眼鏡を渡す。

ﾊﾙﾀ「…うわっ凄いよく見つけたね」

肉眼でうっすら見えた程度だったが、やはり船であった。

ﾊﾙﾀ「……アレは、海賊船だね」

『…来るかな』

ﾊﾙﾀ「……うーん、こっちに進んでるみたいだよね」

『…うん』

双眼鏡を覗くと、向こうの甲板で大砲の準備をしていた。

『……あぁ、ハルタ。来るよ』

『大砲用意しちゃってる』

ﾊﾙﾀ「……おい！皆起きろ！敵襲だ！！」

船内の連絡網である電伝虫で、皆を叩き起こす。

『……朝からやめてほしいよね』

ﾊﾙﾀ「本当だよ。しかもよくみたら五隻居るし」

『…今日って四番隊が当番だっけ』

ﾊﾙﾀ「うん。厨房の奴らだし殆どはもう起きてるかな」

『そうだね』

ぞろぞろとクルー達が甲板に集まって来た。

当番は四番隊ってだけで、この規模なら皆戦闘準備をするのだ。

『私は下行くね』

ﾊﾙﾀ「オッケー。こっちは任せといてよ」

＿＿＿

あれから１０分ほどして戦闘は始まった。

最初は大砲による攻撃だったが、接近すると続々と相手のクルーが甲板に上がってきた。

勿論、こちらも相手の甲板へ向かう。

私はポツンと離れた一隻に向かった。

増援されるのは面倒だからだ。

チャキ…

蝶舞桜を抜き、人をなぎ倒していく。

私が言うのも何だが、別に無駄に殺したいわけではないのでほぼ刀背打ちだ。

スパンッ！

とは言え、腕や足ぐらいは取らせてもらう。

バンッ

バンッ

バンッ！

トト…

二発を避けて、一発は斬る。

キィン！

ガキィィン！！

「死ねぇぇえ！！」

クルーの一人と鍔競り合いになった。

相手は３mを超える巨漢で、パワーもある。

ギリギリギリィ…

流石に反らせないか。

ブシュッ！！！

ザクッ！

ザンっ…

右肩を犠牲に、相手の目を突き足の健を切った。

そのまま別のクルーを相手取る。

コイツは拳銃使い。

バンバンバンッ！