１９０話 ページ45
そんな話をしている内に、カームベルトを抜けたらしい。
サァァァ……
『…風だ』
ｴｰｽ「お！カームベルトは抜けたんだな」
バサッ！
エースはストライカーの帆を張り、風による推進力を得ていた。
速度を上げながら穏やかな海を進む。
＿＿＿
更に進んで再びグランドラインへと渡り、前半の海にある小さな島に上陸した。
ｴｰｽ「ふぅ、疲れたァ…」
『ほとんど何もしてなくてごめんね』
ｴｰｽ「気にすんなよ。ってか最後の方の海王類は全部Aが倒してくれたじゃねえか」
『…流石にね』
ここ３日間程、ぶっ通しで航海していたのだ。
神経と体力を消耗した今、一刻も早く休息したい。
カランコロン…
「いらっしゃいませ」
『二部屋取りたいのですが、空いてますか？』
「ええ、こちらの部屋でしたら続きで空室ですよ」
態々隣同士の部屋である必要はないが、折角案内してくれたのだから勧められた部屋を借りることに。
『エース、おやすみなさい』
ｴｰｽ「あぁ。しっかり寝ろよ」
＿＿＿
昼を過ぎて、ティーチの捜索を再開する。
ｴｰｽ「なぁ、コイツを知らないか？」
「…知らない顔だねぇ」
『そうですか。貴重なお時間ありがとうございました』
「人探しならその角を曲がったところの占い師さんに訊いてみな」
ｴｰｽ「こいつはご丁寧にどうも」
言われた場所には確かに占い師が居た。
オススメされるということは情報通なのだろうか。
『すみません。この写真の男性を知りませんか』
ペラッ…
ティーチの顔写真をまじまじと見て、何かを考える素振りを見せた。
これは何かを知っている。
「…この男性は確かに少し前までこの島にいたわ」
ｴｰｽ「本当か！？次何処へ向かったか知らねぇか！？」
珍しく当たりかもしれない情報を掴み、エースは興奮しているように見える。
「…何て言ったかしら。そう、ドラム王国！ドラム王国へ行くみたいよ」
何かを思い起こす素振りを見せ、ティーチと誰かが会話をしていたことを話してくれた。
『そうでしたか、ご協力感謝します』
ｴｰｽ「今度こそアタリだと良いな」
『だね』
ｴｰｽ「…それはそうとドラム王国って言やぁそろそろアイツが来るんじゃねぇか？」
アイツ…。
それは彼の弟のことである。
ここのところ様々な快挙を成し遂げ世界経済新聞に度々登場していたのだ。
一週間程前にはアーロン一味を撃破していた。
そろそろグランドラインへ入ってきているだろう。
『…会いに行くの？』
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年2月21日 12時
