家族のことが、大切だから (ページ41)

今日:4 hit、昨日:61 hit、合計:11,357 hit

１８６話ページ41

ｴｰｽ「…っと、話が脱線しちまったな」

ｴｰｽ「明日も早いから今日はもう寝ちまおうぜ」

『わかった。明日は裏町を回るんだよね』

ｴｰｽ「あぁ。そのつもりだ」

『了解。おやすみなさい』

ｴｰｽ「おやすみ」

＿＿＿

ガチャ…

自室に戻り、軽く荷物を整えることに。

ウエストポーチには桜本、時計、文具など雑多な持ち物が入っている。

カチャ…

小さなリュックから一丁の拳銃を取り出す。

これは回転式拳銃だ。

装填数は８。

元の装填数は６だったが色々カスタムした結果、今は８発の弾倉に落ち着いている。

自動式拳銃に比べて耐久性に優れ、暴発しにくいところが利点である。

また不発が出た場合も、ハンマーを起こすか引き金を引くだけで次の弾が撃てるのがいい。

普段ウエストポーチには入れないが、裏町に行くのであれば用心するに越したことはないだろう。

あとは替えのナイフを入れておく。

こんなものだろうか。

どうせリュックも持ち歩くのだからそれ程気にする必要もないか。

カンテラの火を落とし、部屋の角に置かれたベッドに潜り込む。

意外と疲れていたのかもしれない。

直ぐに意識は暗転した。

＿＿＿

午前５時。

軽く伸びをして起き上がる。

薄暗い部屋に明かりを灯さないまま、身支度を始めた。

洗面台で顔を洗い、簡単に髪を梳かす。

裏町には海軍も居ることが多いため、髪を黒く染めておく。

黒く染まった髪を束ね、短く見えるように帽子に押し込むことに。

最後に着替える。

…と言っても昨日とほとんど同じ意匠のシャツとズボンであるが。

ブーツに敷き板を入れて身長を10cmほど盛っておく。

こうしておけば少年ぐらいには見えるだろう。

ウエストポーチのベルトを締め、コートを羽織る。

蝶舞桜を持ち右肩にリュックを掛け、部屋を出た。

ガチャ…

エースはそろそろ起きただろうか。

まぁ寝ていても起こすのだが。

コンコンコン…

「…はぁーい」

ドアの向こうから眠そうな声が聞こえてきた。

『…入るね』

ガチャ

『おはよ』

ｴｰｽ「…おはよう。A…だよな？」

『…あぁ、うん。Aだよ。別人みたいでしょ』

私が変装した姿をまじまじと見つめ、不思議そうな表情をしている。

ｴｰｽ「…おう。やっぱ器用だなァ」

ｴｰｽ「んなことより、飯食おうぜ」

『…いいよ』

恐らく起きて間もないであろう様子だが、お腹は空いているようだ。

二人でエントランスに向かう。