１８５話 ページ40
『…そう言えば、エースのストライカーって誰が作ったの？』
一般に売られるようなものではないため、ウォーターセブンで特注したのだろうか。
ｴｰｽ「あぁ、あれはスペード海賊団を結成した時に作ったんだ」
ｴｰｽ「海の蟻地獄って呼ばれるー東の海の島に入り込んじまってな」
海の蟻地獄。
特殊な海流が島を取り囲み、近付く者を引き摺り込むという。
ｴｰｽ「そこでデュースっていう奴に会ってな」
デュースとエースは海流の餌食となり、たまたま浜で出会ったらしい。
エースは出航するために廃材で船を作ったが、その出来は正に最悪。
隙間だらけで棺のようだった。
ｴｰｽ「デュースは博識で、一目見ただけの船に物凄い量のダメ出しを食らったんだ」
ｴｰｽ「それから一緒に船を造ってたんだが食糧もねぇし、完成まであと一歩のところで運悪く嵐に見舞われてな」
船が大破してしまったところでデュースの焦りと疲労が爆発したそう。
何も口にせず重労働を繰り返す日々。
そんな中で食糧庫が新たに荒らされており、他に人も動物も居ないその島で、エースがその犯人だと考えたらしい。
だが、本当の犯人は怪鳥だった。
島の上空から怪鳥がデュースを攻撃しようとしていたところを、エースが助けたらしい。
ｴｰｽ「あのまま死に別れじゃ、悔いが残るからな」
誤解が解けたとき、怪鳥が吐き出した宝箱に気が付いた。
宝箱の中には一つの大きな果実。
それこそがメラメラの実だった。
二人でその一つの実を分けて口にした。
ｴｰｽ「でもデュースより俺の方が早く飲み込んじまってな」
メラメラの実の能力を手にしたのはエースだった。
再び造船を手伝わせてほしいという申し出をしたデュースは、エースのこの能力を特殊な海流から抜け出す術として使うことを思い付いた。
ｴｰｽ「それで完成したのが俺の炎を動力にしたパドルシップ、"ストライカー"だったんだ」
『なるほど。スペード海賊団はあのストライカーから始まったんだ』
ｴｰｽ「あぁ。そこからだんだん仲間が増えて、俺らは新世界まで駆け上がったんだ」
『……デュースって偽名なの？』
デュースとは数字の２を表す言葉。
エースは１。
船長が１で、側で支える２。
まるで示し合わせたかの様だ。
ｴｰｽ「多分な。アイツの本名は俺も知らねえ」
『…そうなの？』
ｴｰｽ「別に名前なんてどうでも良いだろ？」
『確かにね』
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年2月21日 12時
