１７９話 ページ34
隣港へ行く道中、人が集まりそうなところへ行ってはティーチのことを訊いて回る。
が、結果は全滅。
この島には来ていないのだろうか。
それでも、どこかの島で目撃したという情報ぐらいあったら良いが。
ｴｰｽ「フクースナ…これか」
ワンッ！
白く大きな犬がエース足元に擦りついている。
ｴｰｽ「うわっ！？犬？」
この島は野犬にも寛容で普通に町に溢れているが、手入れされた個体が多く、人懐こい。
ｴｰｽ「お前可愛いなー！」
エースは頬を緩め、わしわしとその犬を撫でている。
ｴｰｽ「でも悪いな。急いでるんだ」
カランコロン
ナポリタンを一つ注文するようだ。
ｴｰｽ「店主さん、コイツを知らねぇか」
ｴｰｽ「どっかで見たとか、噂とか何でも良い」
店主「マーシャル・D・ティーチ…ねぇ…」
『…ご存知で？』
店主「まぁ名前ぐらいはな」
店主「…最近、どっかで聞いたような…」
カウンターの向こうで料理をしながら考え出した店主。
その様子を伺いながら、エースの食べっぷりを眺めた。
先程の店であれだけ食べておいて大盛ナポリタンを平らげようとしている彼の胃袋はどうなっているのだろう。
店主「あぁ、そうそう。えーっと確かドラゴン島から来たお客が白ひげ海賊団のクルーを見たって」
店主「まぁ、ソイツかどうかは分からねぇがな」
『そうでしたか。なるほど、助かります』
ｴｰｽ「ご馳走さまでした」
今回も支払うことなく、ぺっこり一礼をして店を出ていった。
『ありがとうございました』
チャリ…
また代わりに代金を置いて店を出る。
カランコロン
遠征しているチームがない今、白ひげのクルーをこの海域で見掛けたとなると、それはティーチの可能性が高いだろう。
ｴｰｽ「思ったより早かったな」
確かに、もう少し掛かるかと思っていた。
それよりも、この情報には一つ落とし穴があるのだ。
『…これだとドラゴン島で見掛けたとは限らないよね』
ドラゴン島とはここワンコ島から３つほど離れた島だ。
さっきの話をした客が他の島から乗り継いで来たとしたらどうだろう。
見掛けたのはドラゴン島ではなく、経由した島ではないだろうか。
ｴｰｽ「…確かに。まぁ、行ってみようぜ」
『うん』
＿＿＿
百貨店でエターナルポースを購入した。
バウバウッ！！
ダダダッ…！
ｴｰｽ「うぉっ！」
二匹の犬が足元を掠めた。
ｴｰｽ「何だったんだ…？」
ｴｰｽ「ア"ッ！！？」
ｴｰｽ「エターナルポース盗られた！！」
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年2月21日 12時
