家族のことが、大切だから (ページ30)

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１７５話ページ30

ｴｰｽ「病み上がりからこれは大変だな。俺だったらとっくに逃げてるぜ」

『…逃げてもあんまり意味ないけど』

パシッ！

『…セーフ』

エースがいきなりご飯に顔を突っ込みかけたが、何とか受け止められた。

ｲｿﾞｳ「何度見ても見事だな」

ﾏﾙｺ「いつ寝るのか分かるのかよい？」

『何となくね』

ｴｰｽ「…っは！悪ぃ寝てた！」

『…その癖本当に治らないの？』

ｴｰｽ「無理だな！」

ある意味器用なそれは昔からのことだそうで、一向に治る気配がない。

エースが再びご飯を頬張るのを見て、私も食べ進めることに。

他のクルー達よりは少ない量だが、ここに来た当初より多く食べられるようになった。

朝食を平らげ、マルコから貰った薬を飲む。

ﾏﾙｺ「よし、ちゃんと覚えてたねぃ」

マルコのこういう面倒見の良さは大したものだと思う。

プレートを下げ、食堂の隅で煙管を吹かす。

本当は外で吸うべきなのだろうが、人が少ないところであれば注意されることはない。

ﾏﾙｺ「Aも煙草吸うんだねぃ」

『…あぁ、人付き合いで嗜むぐらいだし大して吸わないけどね』

ﾏﾙｺ「…お前も煙管が似合うねぃ」

ｲｿﾞｳ「確かにそうだな」

『…煙管が似合うとかあるかな』

ｲｿﾞｳ「そりゃ勿論あるだろう」

ｲｿﾞｳ「例えば…ハルタが煙管を吹かしてたらどうだ？」

ｴｰｽ「なんか違和感あるよな」

ｲｿﾞｳ「だろう？でもお嬢は案外しっくりくる」

『…なるほど』

言われてみると確かにそうだが、服装のせいもあるだろうに。

ﾉｱ「Aー！そろそろ行きましょ！」

『…うん』

呼ばれてしまっては仕方ないので素直に着いていく。

ﾏﾙｺ「あんまりAを困らせるなよい」

ﾘﾘｰ「はぁい！」

ノアさんは私の手を引いて走り出した。

＿＿＿

その後も長らく撮影会が開かれ、解放してもらえなかった。

撮影会が終わってもお風呂まではその服装でいるように、と言われてしまったため、当分露出が気になる服を着ていなければならない。

それなのに、今私は船長室に向かっている。

会議に呼ばれてしまったのだ。

あまり気は進まないが、仕方ない。

コンコンコンッ

『…失礼します』

ガチャ…

ｵﾔｼﾞ「グララララ…ナースたちにやられたのか」

『…うん。ナースの皆さんに着せられたの』

適当な席に着き、暫く会話をしていた。

ﾏﾙｺ「…じゃ、皆揃ったところで会議を始めるよい」