169話 ページ23
ふむ。
だがこれらは戦争が起きなければ必ず解決するかと言われると、そうでもないのかもしれない。
今だってティーチを追うだの追わないだの水掛け論になっているし、例えばこの先オヤジに何かあったらオヤジが抑止力になっていた組織は動き出すだろう。
つまるところ、具体的な解決策が見出だせないでいる。
戦争が起きなければそれは一番良いのだが、それだけでは万事解決とは行かないかもしれない。
…とはいえティーチは既に悪魔の実を手に入れてしまっている訳だし、そこはどうしようもない。
まぁ、兎に角この物語とは別の行動を取ることにしてみよう。
実際、サッチは死んでいないわけだ。
何かが変わるかもしれない。
___
シャ…
カーテンを開く音で目を覚ました。
いつの間にか寝ていたらしい。
マルコ「…悪い、起こしたかよい?」
『…ん、大丈夫だよ。傷診るの?』
マルコ「そうだよい」
するっ……
マルコが薬を出している間に頭、肩、足の包帯を取っていく。
化膿はしていないようだ。
マルコ「…頭と足の傷はほぼ完治だねぃ。肩の傷も大分塞がってきてるよい」
思っていたより治りが速かったみたいだ。
もう少し時間を掛けて治すつもりだったが、傷の深さを見誤っただろうか。
その時
突然またあの空腹感が襲ってきた。
まだ我慢できないことはないが、直にもっと酷くなるのだろう。
ただ、このぐらいで飢餓状態に陥るとは思えない。
普段と変わったことはなかったか。
『…マルコ、もしかして能力使ったの?』
マルコ「…あぁ、流石に傷の状態が酷かったからねぃ」
…前回飢餓状態に陥った時も、マルコの力で自己治癒能力が上がっていた。
やはり、自己補完で設定していたよりも治りが速かったため、想定より多くの力を使っているのかもしれない。
『…マルコ、もしかすると自己治癒力が上がったことでお腹が空くのも早くなってるかも』
最初は何の事だとでも言うような顔だったが、オボロ島でのことを思い出したらしい。
声を潜めて怪訝な顔で質問してきた。
マルコ「…想定してたより早く飢餓状態になるってことかよい?」
『…うん。今はまだ大したこと無いんだけど』
マルコ「なるほどねぃ。…輸血パックでも大丈夫かよい?」
『…残念だけど、生き血じゃないと回復しないの』
そもそも吸血することで少し生命力を貰っているわけで、輸血パックでは殆ど回復出来ない。
マルコ「…んならまた吸血するかよい?」
106人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨狼 | 作成日時:2024年2月21日 12時