１６７話 ページ21
つまるところエースがティーチに捕まらなければいいということ。
エースがここを出るのを阻止するか、最悪着いていくか。
……一番手っ取り早いのはエースがここを出てティーチを追うことを止めることだ。
最善を尽くそう。
もし、止められなかったら。
ﾏﾙｺ「何をそんなに悩んでるんだよい」
『…っわ、マルコ』
ﾏﾙｺ「悪ぃ、驚かせたねぃ」
ﾏﾙｺ「…ちょっと顔色が悪いねぃ」
ﾏﾙｺ「何かあったかよい？」
…【あやかし】に書かれたことを伝えるべきなのだろうか。
……わからない。
何が正解なのだろう。
『…んーん、そういう訳じゃないんだけど』
ﾏﾙｺ「…言うも言わねぇもAの勝手だが、あんまり思い詰めんなよい」
『…ありがと』
ﾏﾙｺ「まぁ今は出来るだけ寝ろよい」
『うん』
ﾏﾙｺ「…ちょっと薬の量を増やすから気分悪くなるかもしれねぇが、そうなったらすぐ声かけろよい」
『…うん』
今点滴で入れられているのは抗生物質と栄養剤。
ダダダッ
ガチャ！！
ｴｰｽ「マルコ！ピンセット貸してくれ」
ﾏﾙｺ「静かに開けろよい…」
カチャカチャ…
ﾏﾙｺ「どうしたんだよい」
ｴｰｽ「ハルタの手にすい針が刺さっちまったらしいんだ」
ﾏﾙｺ「…ちょっと待て何でお前がピンセットを取りに来てんだよい」
ｴｰｽ「何でって…取ってやろうと思って」
ﾏﾙｺ「…はぁ、ハルタを連れてこいよい」
ｴｰｽ「…へーい」
ガチャ！
ダダダッ…
『…元気だね』
ﾏﾙｺ「元気過ぎるぐらいだよい」
３分ほどして、２つの足音が近づいてきた。
バンッ！
ﾊﾙﾀ「マルコーっ！エースが何か怖いんだけど」
ｴｰｽ「怖くねぇよ」
ﾏﾙｺ「てめぇら本当に静かにしろよい」
ﾊﾙﾀ「あっ、A！起きたんだね！」
『うん』
ﾏﾙｺ「ハルタ、そこ座れよい」
ﾊﾙﾀ「えー、マルコのは怖いからなぁ」
ﾏﾙｺ「文句言うなよい」
話もそこそこに椅子に座って大人しくすい針を抜いて貰っているらしい。
ﾊﾙﾀ「ぅ…」
ｴｰｽ「マルコって本当に容赦ねぇな」
ﾏﾙｺ「お前らが文句言うからだよい」
ﾏﾙｺ「…はい、終わりだよい」
ﾊﾙﾀ「ありがとー！」
ガチャ！
ドタドタドタ…
ﾏﾙｺ「…本当、騒がしい奴らだねぃ」
ﾏﾙｺ「…A、何か飲むかよい？」
『…え、飲んでもいいの？』
腹を抉られているため、経口摂取は禁じられていたのだが。
ﾏﾙｺ「…安定してるし、そのまま安静にしてりゃ大丈夫だろうよい」
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年2月21日 12時
