家族のことが、大切だから (ページ13)

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１５９話ページ13

『あぁ、態々ありがとう。いただきます』

ﾃｨｰﾁ「また感想聞かせてくれよ」

『うん』

ガチャ…

……とはいえ、今食べたら晩御飯が入らないかも。

食べないと怒られるし、また後にしようかな。

今は４時。

昼食の時間がずれ込んでしまったから、今は誰も厨房に居ないだろうか。

何となくコーヒーを飲みたい気がして厨房に行くことに。

＿＿＿

ガチャ

やはり誰も居ない。

コーヒーを淹れるタイミングとしては丁度良い。

ササッ…

とくとく…

インスタントは楽で良い。

コトッ…

誰も居ないカウンター席でちまちまコーヒーを口にしながら、ぼんやりとする。

ここの生活音は遠巻きに聴くぐらいが良いよな。

そろそろ厨房にも人が入る頃だろう。

そう思って使ったカップを片付け、書庫に向かった。

＿＿＿

カチ…

カチ…

ふと時計の音が気になり顔を上げると時計の針は午後１０時５６分を指していた。

いけない。

本を読み漁っていたらもうこんな時間に。

もう夕飯の片付けも終わった頃なのでは。

積み上げていた本を棚に戻して、食堂に向かう。

＿＿＿

ガチャ…

予想はしていたが、人は居なかった。

ｻｯﾁ「あれA遅かったな。寝てたの？」

『……サッチ』

いや、カウンターの端でコーヒーを飲むサッチがいた。

『えっと、書庫に居たらこんな時間に…』

ｻｯﾁ「それは大変Aらしいな？」

『…あはは』

ｻｯﾁ「なんか作ろうか？」

『…いや、ティーチがくれたパイがあるし良いかな』

ｻｯﾁ「そっか。コーヒー淹れようか？」

『…じゃあお願いしようかな』

丁度良いし、部屋からパイを取ってこよう。

廊下に出て歩くと、自分の鳴らす足音が良く聞こえた。

……いつもより静か？

みんなはもう寝ているのだろうか。

何て考えながら再び食堂に戻ると、一人増えていた。

『あれ、ティーチ。さっきぶりだね』

ﾃｨｰﾁ「さっきぶりってお前…俺がパイ渡しに行ったの３時頃だったろ」

ﾃｨｰﾁ「サッチ隊長から聞いたぞ？また書庫で本の虫だったんだってな」

『…時間忘れちゃうんだよね』

ﾃｨｰﾁ「程々にな。あ、A。水を一杯くれよ」

『いいよ』

厨房に一番近いのは私で、私も何の疑いもなく食器棚に向かった。

カチャカチャッ…

「＿＿＿ぇが、悪い＿＿＿ッチ＿＿よぉ」

「死んで＿＿して＿＿うぜ＿」

何だ。

遮蔽物が多くて聞き取れないが、明らかに…良くない内容を聞き取ってしまった。