１５８話 ページ12
エースside
「おら聞け白ひげどもォ！！このガキがどうなっても良いのかァ！！？」
ガキ？
誰のことだと思いながらも声がした方向を見る。
甲板のど真ん中でAの首を高らかに掲げている男が目に入った。
『Aっっ！！』
今すぐにでもあの男を潰してAを取り返さねば。
ﾏﾙｺ「エース！！待て！」
飛び出そうとしたが、グッとマルコに押さえられてしまった。
「火拳のエースゥ！！お前がこっちに来て大人しくしてくれさえすればこのガキは返してやる！！」
どんどんAが弱っていくのは火を見るより明らかだった。
俺が行ってAが解放されるなら、それでも良いかと思い足を踏み出した。
が
ガシュッ！！！
Aはいきなり足を振り上げ膝を蹴った。
……いや、刺してるのか。
A「ねぇおじさん。知ってる？」
A「刃物って刺した後捻って抜いたら大量出血しちゃうんだよ？」
何を言っているんだと思った。
Aは自力で抜け出した。
しかもちゃんと捻って抜いたらしく、男の足からは止めどなく血が溢れている。
前の傷の出血もあり、すぐに男は倒れた。
A「…残念。もうちょっと骨のある奴だと思ったんだけど」
そう言ってAは薄く笑った。
ぞくり…
俺はその姿に何か恐怖を覚えた。
……とは言え、本当に無事で良かった。
＿＿＿
Aside
ウチの兄たちに何てことはないと伝えるために他の敵を斬る。
ザンッ！！
再び戦火の勢いが増したところで
ﾏﾙｺ「大丈夫なのかよいっ！？」
と、訊かれた。
『勿論』
バンッバンッバンッ！！
ギンッガッキィン…！！
殆どの弾は弾いたが、幾つか流れ弾が行った。
『マルコっ右！』
ﾏﾙｺ「っと、心配しなくてもあのぐらいなら俺は平気だよい」
そうは言っても、不死鳥の能力は自然系とは違う。
多分、痛みはあるはずだ。
心配ぐらいさせてほしい。
＿＿＿
今回の戦闘を取り仕切っていたため、敵船の財宝の優先権は四番隊にあった。
他のクルーたちはおこぼれを頂戴するのが決まりだ。
昼を過ぎて、サッチが悪魔の実を手に入れたという噂を耳にした。
……サッチなのか。
どんどん【あやかし】の内容に沿うピースが集まってきてしまった。
…念のため、一週間ぐらいはサッチの周りを張っておこうかな。
コンコンコン…
『…どうぞ』
ガチャ
ﾃｨｰﾁ「チェリーパイが焼き上がったんだ」
ﾃｨｰﾁ「良かったら温かい内に食ってくれ」
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年2月21日 12時
