９７話 ページ49
ﾏﾙｺ「レッドラインはどうやって越えたんだよい？」
『……行きはアラバスタ行きの船に乗って、帰りは飛んで越えた』
ﾏﾙｺ「……流石だねぃ」
ﾏﾙｺ「海王類をモビーまで連れてきたのはそれもあったのかよい？」
『そう』
ｻｯﾁ「どういうこと？」
ﾏﾙｺ「長距離飛ぶのは疲れるんだとよい」
ｲｿﾞｳ「飛ぶのも案外大変なんだな」
ｴｰｽ「んはっ！悪ぃ！」
『エース、みんなビックリしちゃうからその癖何とかならないの』
ｴｰｽ「んなこと言ったってよぉ…んめー！」
『…話を聞け……？』
ｴｰｽ「ところで、まだ仕事辞めねぇの？」
『話を反らさないで…って言いたいところだけど』
『…うん。まだまだ辞められそうにないね』
ｴｰｽ「なんでAだけがそんなに背負ってんだよ」
『……私だけじゃないよ。他にもいろんな子が下の子たちの命背負ってんの』
ﾏﾙｺ「どういうことだよい？」
色々説明する必要があって、何から話せばいいのか。
なかなか口が開けないでいる私をみてエースが言った。
ｴｰｽ「何つーか……話してもいいのか？」
『……うん。ここの人達になら話してもいいっていうか、話さなきゃって、思うんだけど』
ｴｰｽ「何から話せばいいかわからねぇっていうことだろ？」
『そう。……んー…』
ｴｰｽ「俺が話せるところは話そうか？」
『……それは違う、気がする』
ｲｿﾞｳ「そういう話なら移動しないか？」
ﾏﾙｺ「それもそうだねぃ」
ﾏﾙｺ「取り敢えず隊長衆には話通して良いかよい？」
『うん』
＿＿＿
談話室に隊長の多くが集まり、話をすることになった。
まず、生い立ちからだろうか。
『……マルコやイゾウには少し、話したけど』
そう前置きをして言葉を紡ぐ。
『…私、姉がいたの。冬に、姉と一緒に捨てられた』
『運良く拾って貰えたけど、拾った奴らは自分達の子供ですらろくに育てやしなかった』
『…自分達で生きるために働いてたら姉は身体を壊した。だから、私が代わりに働くようになったの』
『……私が五歳ぐらいの時かな。私、施設に売られたの』
ｻｯﾁ「施設？」
『うん。お金が足らなかったんだって。それで、施設では色んな実験を受けたの』
『投薬とか、催眠的なものまで数多のね』
『……一年ぐらい続けてたら、仕事として殺人を犯すことになった』
『人の殺し方を教わって仕事を遂行していくんだけど』
『……失敗したり、逆らったりすると家族や兄妹が殺されていくの。要は人質だね』
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年1月8日 4時
