９４話 ページ46
『マルコ、翼しまえるから手当てしなくてもいいよ』
ﾏﾙｺ「翼が折れた状態でしまったことあるかよい？」
『…ない』
ﾏﾙｺ「それじゃしまってる間に悪化したらどうするんだよい」
『……』
ぐうの音すら出ない。
ﾏﾙｺ「わかったらさっさと手当てさせろぃ」
『……ん』
ﾏﾙｺ「…少し翼広げられるかよい？」
少し、の具合がわからないが私の思う少し翼を広げて見せる。
ふわっ
『…こうでいいかな』
ﾏﾙｺ「よい」
マルコが翼を固定していく。
『…っ』
ﾏﾙｺ「すまねぇ、痛かったかよい？」
『…ちょっとだけ』
ﾏﾙｺ「出来たよい」
『ありがと』
ﾏﾙｺ「……服が血塗れだがこれはお前の血かよい？」
『……いや』
ﾏﾙｺ「そうかよい。取り敢えず着替えてこいよい」
『わかった』
＿＿＿
医務室を出て、自室で着替える。
廊下を歩いていると甲板から聞こえていた音が止んだことに気付く。
海王類は倒されたようだ。
クルー達に迷惑をかけてしまったなどと思いながら再び医務室に戻る。
ﾏﾙｺ「それじゃ、少し話そうかねぃ」
ﾏﾙｺ「まず、何しに二週間も外に出てたんだよい？」
『…仕事』
ﾏﾙｺ「だろうねぃ。じゃあ、さっきの海王類は何だよい」
何、と訊かれると困るものではある。
『……モビーに帰ってくる少し前に出会って、そこからずっと追いかけてきたの』
ﾏﾙｺ「Aなら倒せたんじゃないかよい？」
痛いところを突いてくる。
マルコは聡明な人間だ。
訊かれるかもしれないとは予想していたが。
『……空中戦は得意じゃないから』
ﾏﾙｺ「へぇ？本当かよい？」
ﾏﾙｺ「最初に俺らを倒しに来たときは跳んで回ってたろぃ？」
『そのぐらいなら問題ないけど、飛行しながらっていうのは苦手なの』
ﾏﾙｺ「…そうかよい。今はしまってるみたいだがさっきの翼は何だよい？」
海に入るところも見せてしまったし、悪魔の実だとは言えない。
どう説明しよう。
『…わからない。昔から使えたんだけど、悪魔の実ではないみたいだし』
確かに昔から使えたけど、そもそも私は人間ではないわけで。
ﾏﾙｺ「…謎だねぃ」
『うん』
ﾏﾙｺ「なら何で移動するときに飛ばねぇんだよい？」
『長距離飛ぶのは疲れるから』
これは本当のことである。
ﾏﾙｺ「なるほどねぃ」
ﾏﾙｺ「……兎に角、置き手紙だけじゃなく誰かに声掛けてから外に行けよい」
ﾏﾙｺ「…あと、帰ってくる時は電伝虫で連絡しろぃ」
『…ん』
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年1月8日 4時
