８６話 ページ38
ﾚｲﾘｰ「キミが強いことは良くわかったが、待っている人がいるんだろう？」
その待っている人が向こうにいるのだよ。
『そうだね』
ﾚｲﾘｰ「その人に悲しい思いをさせたいのか？」
『大丈夫。必ず生きて帰る』
ﾚｲﾘｰ「グランドラインもそうだが、新世界に必ずはないんだ」
もう面倒なことになりそうだ。
走って出て行こう。
撒くことができるかは怪しいが、兎に角これ以上の面倒はご免だ。
ちっとも休めやしない。
ダッ…！
ﾚｲﾘｰ「待ちなさい！」
カランコロンッ！！
最大限気配を絶って、全速力で走る。
勿論レイリーは追いかけてくる訳で。
流石に速い。
直ぐに追い付かれそうだ。
レイリーの視界から外れる為に大きな木の周りを走る。
レイリーは後ろから追いかけてきていたが、突然正面に回ってきた。
ズサァァ！
ダッ！！
そこで踵を返して逃げ回るフリをしてレイリーの死角となる場所で大きく上へ飛ぶ。
ダンッ！
運良くレイリーに気付かれずに木の上へ逃げられた。
どうしようか。
ここに居ては気付かれるのも時間の問題である。
バッ！
レイリーが他へ視線を向けている間に木から飛び出して海に向かう。
＿＿＿
何とか撒いて海にたどり着いた。
ウィンドサーフィンで出て、出来るだけ力を温存しておきたい。
ボードに空気を入れながらレイリーの動向を探るため、島中に見聞色を回す。
……まずい。
こちらに真っ直ぐ向かってきている。
レイリーも見聞色を回したのだろう。
最大限急いでボードにセイルを取り付けていく。
そもそもセイルを組み立てる必要があって、大きくタイムロスをしてしまう。
ガチャッ
何とか海に出る準備が整った。
海に入ってセイルアップをしていたが、50m圏内にレイリーが来ている。
急げ。
早く。
パシッ！
『…っ』
ﾚｲﾘｰ「待ちたまえ」
『…レイさん離して』
ﾚｲﾘｰ「待て。キミはこれからどうするつもりだ」
『このまま新世界に入る』
ﾚｲﾘｰ「新世界への入り方は知っているのか」
『…魚人島を経由するか、マリージョアを経由するかだよね』
ﾚｲﾘｰ「そうだ。キミはどうするつもりだ」
『……このまま行くの』
流石に飛べますとは言えない。
この人は恐らく悪魔の実にも一般より詳しいはず。
となるとこの力について話してしまえば悪魔の実で得た力ではないということもバレてしまうか。
ﾚｲﾘｰ「どうやってレッドラインを越えるのかね」
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年1月8日 4時
