８２話 ページ34
ﾚｲﾘｰ「ミリア、君はシャボンディの住人ではないんだろう？」
『うん。そうだよ』
ﾚｲﾘｰ「何の為にここに？その様子だと観光ではないんだろう？」
『うん。観光するためとかじゃないよ』
話しても良いものなのか。
とはいえ、良い嘘が思い付かないのも事実で。
『…えと、新世界に行こうと思いまして』
正確には帰る、だが。
ﾚｲﾘｰ「……新世界に？海賊なのか？」
『うん。海賊だよ』
ｼｬｯｷｰ「…仲間は居るの？」
『いえ、(ここには)居ないです』
ﾚｲﾘｰ「悪いことは言わない。やめておきなさい」
ﾚｲﾘｰ「1人で行く何て無謀だ」
『行かなきゃいけないし』
ﾚｲﾘｰ「…何故だ？」
『…会いたい人たちがいるの』
間違いではない。
が、そろそろ言い訳が出来ない。
ﾚｲﾘｰ「ほぅ…」
ﾚｲﾘｰ「ミリア、そもそも君のそれは怪我なのか？」
それ、とは恐らくこの血のことだろう。
『いや、私の血じゃない』
ｼｬｯｷｰ「ミリアちゃんはここに来る前に人を殺したの？」
『うん。8500万の賞金首を殺ったの』
『…知名度は高くないから、ピンと来ないだろうけど』
ていうかそもそも見た目が違う。
『私自身賞金首なの』
ﾚｲﾘｰ「賞金額は？」
『えっと確か5億ベリー…だと思う』
本当は5億8000万ベリーだが、詳しく知られたくはない。
ｼｬｯｷｰ「5億？ミリアちゃん強いのね」
ﾚｲﾘｰ「君のその金額はやったことからなるものか？それとも強さか？」
『…どっちも、かな』
『…色々やっちゃってるし、割と強いし』
ﾚｲﾘｰ「ふむ。なら、この老いぼれと手合わせ願おうか」
『…えレイリーさんて、懸賞金額は確か34億8000万…とか、だったよね……』
ﾚｲﾘｰ「何、今は穏やかに暮らすただの老兵さ」
『……拒否権は』
ｼｬｯｷｰ「ミリアちゃん、諦めて付き合っていらっしゃい」
『……はい』
＿＿＿
ﾚｲﾘｰ「体術より剣術か？」
『…どちらかと言うと剣術っていうぐらい』
ﾚｲﾘｰ「なるほど。ならどちらもやってみよう」
レイリーが持ったのは模造刀でも何でもなく、真剣だった。
シンプルで一番よくある形だか、使いこなされるとめんどくさいランキングとしては上位に位置する。
仕方ない。
私も蝶舞桜を抜く。
スラァ…
キィィィン…
ﾚｲﾘｰ「ほう…三尺四寸かな？」
ザッ…
『大当たり』
ガキッ！！
ﾚｲﾘｰ「それを扱うのは珍しいな」
ズサァァ…！
『難しいからね』
キンッ！！
ガンッ！
一進一退の攻防戦
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年1月8日 4時
