家族なんて、欲しくなかったのに (ページ31)

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７９話ページ31

いや、ここの人間はそれが読めないらしい。

自力で捜索するしかなさそうだ。

適当に歩いていると、島の北側にある酒場町に看板の文字が明らかにアルファベットではないものを見つけた。

ここがサケカイスナク…だろう。

カランコロン……

中に入ると、そこそこ賑わっていた。

カウンター席の真ん中には、ラグロウアと思われる容姿の男がいた。

存外簡単に見つかった。

どうしようか。
直接声をかける？

いや、そうすると私が殺したとバレる。

別に見た目が大分違うし、バレても問題はないのだが。

今の容姿は黒髪黒目で175cmの男だ。

服も黒く、黒尽くめだ。

普段の私とは全く繋がらないだろう。

しかし事を荒立てたくはない。

店舗の隙間に入って待ち伏せしておくか。

＿＿＿

カランコロン……

来た。

路地を駆け回って先回りする。

ラグロウアが目の前を通り過ぎんとするその瞬間

ギュッ！

ドサッ！！

路地に引き込み、押し倒す。

ザシュッ…！！

ﾗｸﾞ「なっ！？っが！！」

脈を測るも、既に拍動はない。

一発できちんと仕留められた。

ザシュッ！
ゴキッ！！

頭は回収しておく。

…あ、返り血が。

しょうがない。
ここから屋根づたいに港へ出よう。

このまま通りに出てしまえばそれこそ大騒動だろう。

プルプルプル……

プルプルプル…

ガチャッ

『なんでも屋です。お掃除、終了致しました』

「おぉ本当か！？助かったぁ……！ありがとう！」

『…是非またご贔屓に』

ガチャ…

これで報告も終わった。

帰ろう。

出来るだけウィンドサーフィンで帰る。

流石に力を使い過ぎた為である。

夜空に浮かぶ星たちの瞬きを眺めながら

『…あ』

しまった。

頭を換金するのを忘れていた。

どこかで換金しよう。

次の島が見えてきたのは朝だったが、返り血を付けたままでは島に上がれない。

確かこの島の近くにも有人の島があるはず。

換金所が開いているが暗くなっている時間を目指して進むことにした。

＿＿＿

潮の流れが味方して、換金所は開いている時間内に着いた。

『…賞金首の換金をしたい』

海兵「そちらの袋に？」

『嗚呼』

袋を渡すと、中身を確認して手配書の顔と照らし合わせている。

5分後

海兵「お待たせしました！確かにラグロウアの首ですね」

海兵「8500万ベリーです。ご確認ください」

85束の札束。

『確かに受け取った』

海兵「ご協力ありがとうございました！」

＿＿＿

ボードに乗って、シャボンディ諸島を目指す。