家族なんて、欲しくなかったのに (ページ29)

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７７話ページ29

まずい。
回避しなくては。

ミス・オールサンデーことニコ・ロビンは、ハナハナの実の能力者だったか。

それを知っていたところで彼女の戦闘方法は知らないため、どうしようもない。

ﾛﾋﾞﾝ「…小人さん。そこから出てきてくれる？」

罠だろうか。

ﾛﾋﾞﾝ「ごめんなさい。逃がしてあげるから少し捕まってて」

そう言った途端、左右の床から手が生えてきた。

そのまま包み込まれてミス・オールサンデーのスカートのポケットに入れられた。

何ということだ。

もし、彼女の言葉に嘘がないのだとしたらこれはありがたいことだが、これが罠だとすればもう逃げられないだろう。

兎に角、クロコダイルに見つからないことが最優先だ。
ならば、ここでじっと待つのが得策か。

＿＿＿

ポケットに入れられたまま、30分が経過した。

とっくに上陸しているはずなのに何故降ろして貰えないのか。

やはり罠だったようだ。

アジトに着く前に抜け出したいが。

……もっと小さくなって飛んで逃げようか。

小さくなるとそれに比例して軽くなるため、気付かれないようにしなければ。

スルスル……

大体1cmまで縮んだだろうか。

バレていなさそうだ。

ふわっ…

翼を広げ、ニコ・ロビンのポケットから飛び立った。

風が弱くて良かった。

もし風が強かったら、身体が吹き上げられて制御が効かなくなっていた。

…！

パシッ！

ニコ・ロビンには気付かれていたらしい。
再び捕獲されてしまった。

しかもその衝撃でウィッグが落下してしまった。

こうなってしまえばもう諦めの境地だ。

ふむ。

風に乗って砂粒が飛んできた。
空気も乾燥している。

大気の様子からして、ここはアラバスタ王国に間違いないだろう。

どうしたものか。

＿＿＿

……音が減ってきた。

恐らくもう室内だ。

ガサッ…！！

…！

ポケットに手が入ってきて、掴み出された。

ﾛﾋﾞﾝ「そんなに警戒しないで」

そうは言われたが、この状況で警戒を怠ることはしない。

ﾛﾋﾞﾝ「ここが何処かわかる？」

『…Baroque Worksのアジト、だよな』

まだ本部も大きくはないが、カジノを経営して新たにアジトを設立するという話だったか。

ﾛﾋﾞﾝ「ええ、当たりよ」

秘密主義ではなかったのか。
これ程簡単にアジトだと明かすなんて。

まさか、最高司令官ともあろう者が裏切り者だったりして。

いや、無駄な詮索はよそう。

ﾛﾋﾞﾝ「…貴方、いつから船にいたの？」

尋問されるのだろう。