７２話 ページ24
「ソイツは8500万ベリーの賞金首だ。ソイツの首でどうだ」
つまりこの依頼主は金儲けが目的ではなく、あぁ、掃除した後の行動は知らないが。
まぁ、要は邪魔だから消したいのだ。
『……承知いたしました』
『日時は』
「出来るだけ早く頼む」
『では、終了時にご連絡いたします』
「嗚呼、頼んだぞ」
電伝虫を切り、机の引き出しからメモ用紙を取り、相手の番号を書き留めておく。
明日からアマナリ島に向かおう。
＿＿＿
午前５時
ウエストポーチに武器、金、桜本などを入れておく。
服装は……
男を装おうか。
ウィッグを被り黒いカッターシャツ、カーゴパンツを着る。
靴はこの間オーダーしていたブーツで、15cmほど底上げしておく。
後はここに来たときも着ていたコートを着る。
穴だらけで血だらけになっていたコートだったが、蝶舞桜の仕上がりを待っていた数日中に綺麗に修繕することができた。
後はウィンドサーフィンの準備をする。
…昨日イゾウ達に意地悪をしてしまったな。
念のため手紙を机の上に置いておくか。
"イゾウ、マルコ、少し意地悪してしまってごめんなさい。2週間ほど出掛けてきます。"
よし、内容はこんなものだろう。
もう夜が明けるし、そろそろ出発しよう。
ガチャ…
カツ…
カツン……
カツン……
コツコツ
私の足音に混じって別の足音も聞こえる。
この音は……。
ｻｯﾁ「うわっ！？誰！？」
嗚呼、そうか。
私の変装技術にはそこそこ定評がある。
私だとは気が付かなかったのだ。
声を変えて話しかけてみようか。
『……サッチ、おはよう』
ｻｯﾁ「お前みたいな奴知らねーよ！」
仕方がない。
声を戻して種明かしをするとしよう。
『……んん、Aだよ』
ｻｯﾁ「え？Aちゃん！？嘘だろ？だって男の声……背も高いし…」
『声は適当に作っただけだし、背は少し盛ってるだけだよ』
15cmを少しと言うのかは一旦置いておく。
ｻｯﾁ「おいおい…冗談止めろって、って言いたいところだけど、本当にAちゃんなのか？」
『そうだよ』
ｻｯﾁ「……まじかよ…うちの子最強かよ……」
『はは、ところでここで何をしてるの』
ｻｯﾁ「あっ、いっけね。朝飯の材料を取ってくるんだ」
この時間ならば殆どの工程は終わっているはずだが、それでも人数が人数だ。
きっと一人で運ぶには多いだろう。
『あ、手伝うよ』
ｻｯﾁ「良いのか？」
『勿論』
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作者名：雨狼 | 作成日時：2024年1月8日 4時
