６３話 ページ15
…いや、でも何故こんな時間にこんな場所に居るのだろうか。
まぁこの様なことを悶々と考えたところで答えは出ないかもしれない。
さっさと撤収しよう。
テキパキと投げ銭入れ、実験道具をバッグにしまっていく。
急いで帰ろう。
一応川の水でヘアカラーを取っておこう。
水気を切ってから、キャップに突っ込んでおく。
モビーに乗ってから髪色を隠していた頃を思い出すなぁ。
とはいっても、つい最近のことであるが。
＿＿＿
モビーに戻ってきた。
タラップが掛けられていない。
縄梯子も上にある。
…困ったな。
やるか。
……いや、見られるとまずいのか。
でも……。
あれ、可笑しくないか。
イゾウは今船を降りていただろう。
…あ、イゾウは泊まるのか。
……私も泊まろうか。
いや、それはお金が勿体無いのか。
なけなしの無駄遣いはしたくない。
…ふむ。
野宿するか、それとも上に上がるか。
上がりたいし、ぶっちゃけ上がれるが、見られたくはない。
……一晩外に居ても怒られないよな。
自由に行動することを許されているのだから。
ならば、いいか。
＿＿＿
南の町で宿を取って一泊することにした。
南の町はのどかな場所だった。
だから、それほど警戒はしなくていいと思う。
適当な宿屋を見つけてなかに入る。
「いらっしゃいませ〜。宿泊なさりますか？」
『はい』
「空いているのはこの部屋と、ここの部屋になるのですが、如何致しましょうか？」
間取り図を見せながら角部屋と、廊下の真ん中の部屋を指す。
どちらも同じ間取りであるため、正直どちらでも良いが。
『…じゃあ、こっちの部屋をお願いします』
隣り合う部屋が少ない方が良いと考え、角部屋を選ぶ。
「かしこまりました！お部屋の鍵をお渡ししますね」
『ありがとうございます』
部屋の説明を受け、軽く挨拶をしたところで部屋に入ってみた。
さっき濡らしてしまったしシャワーを浴びよう。
＿＿＿
サァァァ…
シャワーを浴びながら身体を見ると、やはり沢山の傷があって。
まぁ、刻まれたのにこれで済んでいるなら良い方かもしれない。
下手すると手足がなかったし、最悪死んでいただろう。
なんて考えながら手早く洗って脱衣所に出た。
＿＿＿
ふむ。
最近無駄な思考が増えてきたと感じる。
気を付けなければ。
消灯して、直ぐ様ベッドに入った。
＿＿＿
朝早くに目が覚めた。
まだ皆寝ているような時間だろう。
取り敢えずチェックアウトしておこうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨狼 | 作成日時：2024年1月8日 4時
