91話 恵って意外と可愛いところあるのね ページ2
夜になって、私はベッドに入った
でも、全然眠りに付けていない
現在の時刻は深夜1時
…喉渇いたな
ベッドを出て冷蔵庫の中を見たが、そこには何も入ってなかった
『しょうがない水飲みに行くか』
そもそも、何故眠りに付けないのかと言うと…
寮に帰ってきて自分の部屋で寛いでいると悟から一本の電話が掛かってきたのだ
___
五条「あ、もしもしAー?」
『ん、悟、どうかした?』
五条「Aさ、今日から特級術師になったよ」
聞き間違えたか?
『……え?』
五条「僕と同じ階級だねー、強くなったね」
『うん…?うん何で?』
五条「いやー、上の奴らがさーいきなりそう言って来たんだよねー」
おちゃらけて言っているが、只事じゃない
何故なら私自体にはせいぜい二級術師ぐらいの実力しかないからだ
それなのに特級案件が回ってくるとなると最悪、死ぬ
『……りょーかい。ありがとね悟』
そう言って電話を切った
___
こんなことがあったら気が気じゃなくなるし寝れなくもなる
共同スペースの方に人の気配がある
……誰だ?
角を曲がったところで人にぶつかった
『んっ痛、ごめんなさい…』
鼻っ面が痛い
?「いや、俺こそ前見てなかったので…すみません」
『あれ、伏黒?』
そう、この廊下暗すぎて何も見えないのである
伏黒「…八雲か?」
どうやら気配は伏黒のものだったらしい
伏黒「こんな時間にどうした?」
『……んー、ちょっと寝れなくてね。喉渇いたから水飲みに来たの』
伏黒「そうか。良かったらお茶やる」
一本のペットボトルを寄越してきた
『え、いいの?伏黒、ありがとう』
共同スペースに入ると月明かりで物が見える
そこのソファーに腰掛けてもらったお茶を飲んでいると、伏黒も近くの椅子に腰掛けた
伏黒「……八雲、何で俺だけ名字で呼ぶんだ?」
『……あれ、気にしてた?』
名前、あんまり好きじゃないのかなと思ってた
伏黒「…距離を感じるんだが」
『じゃあ、恵、これでいい?』
伏黒「あぁ」
『恵って意外と可愛いところあるのね』
伏黒「意外とってなんだよ」
『ふふっごめんなさーい』
それから暫く他愛もない話をした
『遅くまで付き合わせてごめんね』
伏黒「…ちょっとは気晴らしになったか?」
『あれ…気が付いてたの?』
伏黒「暗い顔してたぞ」
『そうだったのね、ありがと』
伏黒「早く寝ろよ」
『はーい』
次にベッドに潜り込んだときにはすぐに意識が途切れた
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作者名:雨狼 | 作成日時:2023年11月18日 1時