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部屋に戻りベッドでくつろいでいるとしばらくしてAが入ってきた。


『あ。そういえば及川は?』

「さっき風呂入ってくるっつって家帰った」

『ふーん』

「んでまた来るって」

『げ。別に来なくていいのに』


起き上がってベッドに腰掛けた俺の足の間にAが座る。

なんとなしに真下にある小さい頭を数回撫でてから、持ってきておいたドライヤーを手にとって髪を乾かし始めた。指触りのいい髪がサラサラと指の間を滑り落ちていく。

Aの髪を乾かしてやるのは別に嫌いではない。ただコイツが風邪を引かないか心配しているだけで。





***


“大分乾いたか”

そう呟いてドライヤーのスイッチを切る。


『…やっぱりはじめちゃんの手、気持ちいい』

「そうか?」

『うん』

そう言った後、Aはベッドに上がり込んでおもむろに俺の前で手を広げた。


『はじめちゃん。お礼に私がぎゅってしてあげよう』

「はぁ?」

『ほら』


…ああ。なるほど。

思わず笑ってしまう。


『…何で笑うの』

唇を尖らせたAの腕を引っ張って自分の腕の中に閉じ込めた。


…どうしてこうも素直じゃないのか。


頭を撫でてって言えばいくらでも撫でてやるし
抱きしめてって言えばいくらでも抱きしめてやるのに。

ずっと一緒にいる俺にですらコイツは甘えるのが苦手らしい。


(…まぁ甘えてくることすら滅多にないけどな)


内心でそう呟きながら抱きしめる力を強くするとAの腕がおずおずと俺の背中に回った。


お互い無言のまましばらくそうしていると、腕の中の彼女から微かな寝息が聞こえてきて俺は思わず面食らった。

幼なじみとはいえ男の腕の中で眠ってしまうとは。

随分信頼されているもんだと内心ため息をつく。

もちろん嬉しい。


…だが。


「…こうも油断されちゃあな」

俺の小さなぼやきは誰にも聞かれることはなく消えていった。

*→←とある夜の話



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作品ジャンル:アニメ
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雨音(プロフ) - 麗さん» 二つとも見落としていました…。訂正いたしました、ご指摘ありがとうございました!! (2020年8月24日 23時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 25ページの「」だと思う部分が『』になってます。 (2020年8月24日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 21ページの「あーコレ?、、」なんですけど、多分『』だと思います。話の前後的にも (2020年8月24日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - しのぶさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです…(*T^T)これからも男前な夢主ちゃんをどうぞよろしくお願いいたします\(^-^)/本当にありがとうございました!! (2020年7月6日 20時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - なんて、男前な夢主なんでしょう。 とても素敵な作品だと思います。これからも頑張って下さい。 (2020年7月6日 16時) (レス) id: 399359edd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨音 | 作成日時:2020年5月23日 23時

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