巡り会い、二つ。 ページ34
部活後。お母さんに頼まれて、私は坂下商店に向かっていた。
あそこ遠いんだけど。家の近くにスーパーあるからいいじゃん。
そんな事をぼやきながらバスに乗って向かう。
なんか私のおばあちゃんと烏養さんちのおばあちゃんがいとこ?でその子どものお母さん同士も仲良くてって感じらしい。
「繋心ちゃんって独身らしいわよ♡」
なーんていらん情報まで吹き込まれるし。何なんだ全く。親がそれでいいのか。
ため息をつきながら、流れていく町並みをなんとなしに眺める。
『けーいちゃん』
ガラッとドアを開けると、けいちゃんこと烏養繋心が椅子に座って漫画を読んでいた。
「おお。Aか。久しぶりだな」
『チッスチッス〜』
「…お前は相変わらず軽いな」
『なんだよ〜。悪いかよ〜』
「…ったく口も悪ぃな」
『まぁまぁ許してやれよ』
「お前のことだろうが!!」
『あ、頼んであるものってもう用意してある?』
けいちゃんは深いため息をついて、部屋に通じる入り口を指さした。
「…そこに置いてある」
『けいちゃん大好き!ほらご褒美にぎゅってしてあげる』
「いらねぇよ!!テメェなめてんのか!!」
『え〜。現役女子高校生からのご褒美だぞ?素直に受け取れや』
「ったくお前と話してると疲れるわ」
『私はけいちゃんイジるの楽しい』
「…もうお前会計済ませたら帰れ」
『え〜。ケチ〜』
そう言いながらも、もう暗いしお腹すいたしで言うとおりに会計を済ませる。
『あ、けいちゃん。肉まん奢って』
「はぁ?やなこった。自分で買え」
『お願いお願いお願い!!もうお腹すいて動けない…』
両手を組んで目を潤ませながらじっとけいちゃんの目を見つめる。
「うっ…」
『おねがい…』
しばらく攻防が続いた後、けいちゃんがため息をつきながらガリガリと頭を掻いた。
「わーったよ!!ほら、持ってけ!どうせお前今日も部活だったんだろ」
『やったぁ!!けいちゃん大好き!!』
そう言いながら残り一つだった肉まんをありがたくいただいた。ラッキー。
570人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨音(プロフ) - Lunaさん» コメントありがとうございます(^^)わわ、ニヤニヤしてくださいましたか(*^^*)こちらこそ読んでくださってありがとうございます!とっても嬉しいです╰(*´︶`*)╯♡またお暇な時にでも是非覗きに来てくださいませ(*´-`) (6月20日 20時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして!夢主ちゃん、カッコ良すぎてニヤけました🥹素敵なお話ありがとうございます😊 (6月17日 20時) (レス) @page22 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 赤葦くんのお嫁に行かせてさん» わわ、嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(*^◯^*)そしてこちらでも返信遅れてすみません…(TT)目指せかっこいい夢主ちゃん!で書いたのでそう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです(*´꒳`*)励みになります!!ありがとうございました(TT) (2023年2月11日 18時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
赤葦くんのお嫁に行かせて - 夢主ちゃんめっちゃかっけぇw女でも惚れるわ(( (2023年1月10日 21時) (レス) @page24 id: 8eae8b626f (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 麗さん» 二つとも見落としていました…。訂正いたしました、ご指摘ありがとうございました!! (2020年8月24日 23時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨音 | 作成日時:2020年5月23日 23時