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そんな私を優しく見下ろしながらスガさんは口を開く
「…知らなかったろ」
『え…い、いつからですか…』
「いつからか〜
…やっぱりあの夜からかな」
スガさんは視線を星空に戻して言った
「元々後輩としてかわいいなって思ってたんだけど
あの日の夜、秋山は俺の中で“かわいい後輩”から“好きな女の子”になったんだよ」
心臓の鼓動が早くなっていく
次第に呼吸も速くなって
少し、息苦しい
「…好きだよ、秋山」
真っ直ぐに私を見つめる目はとても澄んでいて
(…あの時と似てる)
ふとそう思ったけど
あの時みたいな恐怖はなくて
ただただ綺麗だと思った
「…言わないでいようかとも思ったんだけど、あと半年もすれば俺卒業だし」
“ちゃんとケジメつけたくて”
「…っ」
なぜか泣きそうになって思わず眉を寄せる
そんな私を見て、スガさんは優しく微笑んだ
「…笑ってよ、秋山」
再びいつか聞いたような言葉が降ってきて
(…なんで)
切ない気持ちが溢れ出して、思わず涙が一筋こぼれ落ちた
…なんであなたの言葉は
私の胸をこんなに苦しくさせるの
優しく涙を拭ってくれるスガさんに
『…好き』
気付いたらその言葉がぽろりと口からこぼれ落ちていた
「え…」
スガさんが目を見開く
『好きです、スガさんのこと』
あなたの凜とした姿に
優しい声に
内に秘めた強さに
知らず知らずのうちに惹きつけられていた
ずっと恋い焦がれていたのは
…私の方だった
腕を引っ張られ、気付くとスガさんの腕の中にいた
今までのかわいらしいハグとは違い
強く抱きしめられる
「…秋山と出会えて良かったよ」
『…そんなの』
私だってスガさんに会えて良かったって思ってます
そう呟くと、スガさんが軽く笑った気配がした
そっと体を離される
「…秋山」
名前を呼ばれて顔を上げると
伸びてきた手に前髪をかき上げられて
―額に優しく何かが触れた
「…二人だけの秘密、な?」
そう言っていたずらっぽく微笑むスガさんが
あまりにも綺麗だったから
その後ろに広がる満天の星空なんて
もう私の目には映っていなくて
目の前のその人に
ただ、見惚れることしかできなかった
【星 end】
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雨音(プロフ) - 宙さん» 宙様、毎度コメントありがとうございます!!!ちょっとでもそういう雰囲気を出さねば!ともはや義務のように思いながら書いたので笑もう最高の誉め言葉です(*T^T)嬉しすぎてルンルンです笑本当にありがとうございました( *´艸) (2020年7月20日 18時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - ひなこさん» ひなこ様!!いつもありがとうございます(*´-`)な、なななんと( ゚□゚)!嬉しすぎて昇天しつつも急いで黒尾さんエンドあげきりました笑勿体無さすぎるお言葉に感無量です…書いてよかった…((T_T))また是非ご感想教えてくださいませ(*^^*)本当にありがとうございました!! (2020年7月20日 18時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 黒尾エンドが一番死にました。個人的にはハイキューの中で一番エロいんじゃね?って思いますwありがとうございます! (2020年7月20日 15時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ(プロフ) - ぎゃああああ黒尾エンドキュンキュンし過ぎました( ゚□゚チーン 全然ゆっくりで書きたいときに書いてくれれば大丈夫ですよ!「強くたって」も残りの二人のエンドも楽しみです!黒尾エンドは少女漫画やすか〇とジャパンの何倍もキュンとしましたありがとうございます泣 (2020年7月18日 23時) (レス) id: 0c08ce833f (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - Wingさん» コメントありがとうございます!!そんなこと言っていただいて作者とても嬉しいです…!実は赤葦さんエンドも現在書き途中なのです(;゜ロ゜)書き終わりましたらあげるので、また是非ご覧下さいませ!!本当にありがとうございました!!(^^) (2020年7月11日 21時) (レス) id: 65b9b91488 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 | 作成日時:2020年5月4日 23時