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『手紙？』
あまりパッときていない様子の大橋くんに、「はい」と小さく頷いてから慌てて口を開く。
「えっと、あのー…大橋くんが私に声かけてくれた時、確か “それ俺にくれるんじゃない？” みたいなニュアンスの事言ってた気がするんですけど…」
記憶を手繰り寄せるように、何となしに天井を見上げながらあの時のことを思い出す。
大橋くんカッコよかったな…じゃなくて。そこじゃなくて。
伝わったかな、と少しだけドキドキしながら答えを待つこと数秒。電話口から聞こえてきた「……あ！！」と叫ぶ声に、とりあえずは思い出してもらえたのだと、ほっと胸を撫で下ろした。
『言うたわ！！ 俺言うた！！ え、ちょお待って！？ おれめっちゃ恥ずかしい事言うてるやん！！』
「いや、実際当たってたのでめっちゃカッコよかったです」
『え…えー、ホンマ？ なんか……あのー、ありがとうな？』
…電話越しだからだろうか。
ただお礼を言われただけなのに、掠れた声がテレビで聞く時の声より、数段甘く聞こえて。
頬にじわりと滲んだ朱を振り払うように、ぶんぶんと首を左右に振ってから再度口を開いた。
「え、まさかとは思うんですけど、レターセット見てる女の子全員にそう言ってるとか…？」
『え、ちゃうで！？ …ってそれやったら俺だいぶヤバない！？』
「それは…そうですね笑」
『ホンマにちゃうで！？』
「分かってますよ笑」
…可愛い。
声を出して笑っている合間に、ぽろりと溢れそうになったその言葉を、とりあえずは喉奥に押し込んでおく。
そして、ちょっとーーちょっとだけ。可愛い子をからかいたくなる気持ちが、分かったような気がした。
…って私は小学生男子か。
『え、あのー…聞きたいんやけどさ、』
思わず噴き出した私につられるようにして笑っていた大橋くんが、特徴的な笑い声を止めてそんな事を言うものだから。
首を傾げながらも、笑うのをやめて「はい」と頷く。
『俺のこと、覚えてへん…？』
.
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雨音(プロフ) - とまと。さん» コメントありがとうございます！未熟者ですが表現の仕方とか言葉選びには自分なりのこだわりを持って書いているので、そう言って頂けてとっても嬉しいです(๑˃̵ᴗ˂̵)励みになります(^^)ありがとうございました！！ (9月29日 19時) (
レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 表現の一つ一つが魅力的で物語に引き込まれました！ (9月27日 21時) (レス) @page5 id: 880d93815c (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 夜星さん» 夜星様、嬉しすぎるお言葉ありがとうございます…(´；ω；`)とっても恐れ多いですが、すごく励みになります…！少しでも楽しんでいただけるようにぼちぼち頑張っていくので、またお暇な時にでも覗きにきてくださったら嬉しいです(*^^*)ありがとうございました！ (5月21日 22時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
夜星(プロフ) - 文字量多いと書いていましたが、そんなことないですよ！場面や感情の描写が丁寧だと自分がその場にいることを想像しながら読むことができるので、雨音さんの書き方はとても好きです！気長に更新待っていますので、無理せず最後まで書いていただきたいです！ (5月20日 12時) (レス) @page30 id: 3020618f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2023年4月3日 0時
