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そして指定された日の夜
嫌だ嫌だと思いながらも、私は約束した時間の十五分前からスマホの前で待っていた
(…矛盾してる)
そう思うけど、仕方ない
ベッドの上に寝転がりながら、そんなとりとめのない事をうだうだと考えていると、時間のきっかり五分前にスマホが震えた
慌てて起き上がり、手に取ったそれの画面を確認する
表示されたのは予想通りの彼の名前で
私は目をぎゅっと瞑って深く息を吐き出した後、意を決し震えそうになる指で通話ボタンをタップした
『…もしもし』
＜秋山？＞
穏やかな声
ただ一言名前を呼ばれただけなのに、涙が出そうになるのは何でだろう
『…はい』
＜改めて電話すると、何か緊張するね＞
『…あ、あの、赤葦さん、前回は…』
＜…別に怒ってないよ。ただ、今日は勝手に電話切らないでね＞
『はい……すみません』
＜謝んなくていいよ。怒ってないって言ったの俺だし。…でも＞
思ったよりもしんどかったから
その言葉にひたすら申し訳ないと思いつつも、心臓がドキリと跳ね上がる
熱くなる頬を何となしに手の甲で擦りながら、何とか「…はい」と返事を口から絞り出した
＜…あ、＞
『…？』
何かを見つけたようなその声に、思わず首を傾げる
＜…雪＞
『雪？東京もこんな早くに雪なんて降るんですね』
そう言いながら自分もつられるように窓の方に目を向ける
チェックのカーテンに阻まれて、外の様子は全く分からなかったけれど
＜…＞
『赤葦さん？』
押し黙った赤葦さんを不思議に思い名前を呼ぶと、少しして軽く笑う声が聞こえてきた
そんな少しの事に、胸がぎゅっと締め付けられる
その甘さを伴った微かな痛みが、赤葦さんから出された宿題の答えがとっくに出ている事を明確に教えてくれていた
“俺の事どう思ってるか、今度会う時までにちゃんと言葉にできるようにしておいて”
…今なら分かる
自分の想いを、ちゃんと言葉に出来る
…赤葦さん、私
(…貴方に伝えたい事が、あるんです)
＜秋山＞
楽しそうな赤葦さんの声が不意に鼓膜を揺らす
『はい？』
＜俺、今どこにいると思う？＞
『え？普通に家じゃ…』
＜さぁ？＞
含みのある笑い
何なんだと思いながら口を開こうとすると、それを遮るように赤葦さんが口を開いた
＜やっぱり東京より冷えるね。…こっちは＞
―――心臓がどくんと、一際大きな音を立てた
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雨音(プロフ) - りこさん» いえいえ！どんなコメントでも嬉しいです(*´꒳`*)まだ先になっちゃうかもなのですが、よければまた見てください〜(о´∀`о) (2022年7月17日 13時) (
レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 雨音さん» こんなコメントに返信してくださってありがとございます！及川さんエンドを満喫してきます！ (2022年7月16日 22時) (レス) id: b102b9a411 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - りこさん» 及川さんエンドも書きたかったんですけど時間がなく…もう一つの作品で及川さんエンド書く予定なので、よければそちらご覧ください(>_<)すみません(´；ω；`) (2022年7月16日 20時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 及川さん､､，！ (2022年7月15日 21時) (レス) id: b102b9a411 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - きゃーぽんさん» コメントありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しいです( *´艸)また是非見ていただけたら作者喜びます〜〜!ありがとうございました＼(^-^)／ (2020年11月1日 14時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年9月22日 23時
