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『…私の事、嫌いになった？』
堪らず顔を伏せ、唇を噛み締めた。
…そうでもしないと、泣いてしまいそうだったから。
「…なぁ、A」
待ち望んだその声は、酷く穏やかだった。
「やっぱり、ちゃんと顔見ながら話したい」
…開けて、いい？
顔も見えないのに、こくりと一つ頷いた。
…本当は、情けない顔見せたくなかったんだけど。
『…うん』
返事をしてドアから背を離す。開いたドアから顔を覗かせた翔ちゃんは、目を潤ませた私を見て眉を下げた。
そんな顔してたの、って笑う翔ちゃんが眩しくて、横を向いて一粒だけ、泣いた。
手を引かれ、翔ちゃんのベッドに並んで腰掛ける。
離された手が寂しくて、
“ああ、きっとこれが私の答えなんだな。”
そう思った。
「まず、謝らせて。…ごめんな」
その謝罪が何を意味するのか容易に想像が付いたから、私はふるふると首を横に振った。
「あの日の続き、ちゃんと言うから。だから、聞いてくれる？」
こくりと頷いた私の頭をよしよしと撫でてから、翔ちゃんは前を向いた。
真剣な表情。
あどけなさ残る顔が、大人びて見える瞬間。
“――この瞬間が、私だけのものであればいいのに。”
気付いてしまった独占欲は、じわじわと体の内側を侵食して。
「東京には夜久さんいるけど、でもこっちでの幼馴染みは俺だけだし、だから幼馴染みは特別って、それでいいって思ってた。傍にいられるなら、よかった。…でも、」
茶色の双眸がこちらを覗き込む。
濁りの無い、透き通った瞳。
でも、そこに混じる何か――いつか見た、その奥の方で灯る熱に。
…知らず知らずのうちに、コクリと喉が鳴った。
「…でも、」
続けられた言葉に、そっと耳を傾ける。
「…欲が、出た」
瞬間。
心臓が、一際強く跳ねた。胸の奥が、甘く疼く。
ただひたすらに、熱くて。そして、何故か痛かった。
「俺、俺ね…」
ずっと待ち望んだあの日の続きは、
.
「…Aが、好きだよ」
―――確かに、其所にあった。
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雨音(プロフ) - りこさん» いえいえ！どんなコメントでも嬉しいです(*´꒳`*)まだ先になっちゃうかもなのですが、よければまた見てください〜(о´∀`о) (2022年7月17日 13時) (
レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 雨音さん» こんなコメントに返信してくださってありがとございます！及川さんエンドを満喫してきます！ (2022年7月16日 22時) (レス) id: b102b9a411 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - りこさん» 及川さんエンドも書きたかったんですけど時間がなく…もう一つの作品で及川さんエンド書く予定なので、よければそちらご覧ください(>_<)すみません(´；ω；`) (2022年7月16日 20時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 及川さん､､，！ (2022年7月15日 21時) (レス) id: b102b9a411 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - きゃーぽんさん» コメントありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しいです( *´艸)また是非見ていただけたら作者喜びます〜〜!ありがとうございました＼(^-^)／ (2020年11月1日 14時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年9月22日 23時
