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「え〜急に何。大大大好きだけど!!」
熱い想いを込めて叫んだら岩ちゃんに「うるせぇ」って怒鳴られた。怖い。
「確かに。前から思ってたけど、Aって明らかに及川のタイプじゃないもんな」
「及川が好きなのって大体ベタじゃん?」
「分かる。女の子だったらかわいくて小さくて料理できて〜みたいな?」
「Aとかマジ逆じゃん」
「まぁ元々コイツら仲悪かったけどな」
「ちょっと岩ちゃん!余計なこと言わないでよ!」
岩ちゃんが口をモグモグさせながら何気なく言った言葉に、二人が目を輝かせて食いついた。
「何それ何それ!!俺知らなかったんだけど!!」
「俺も。Aと及川が?」
あ、もうコレ全部話すまでしつこく聞かれるパターンだ。
溜め息を吐きながら、手に持っていたパンを口の中に放り込んだ。
「おう。コイツ高校入る前くらいまでAのこと夏瀬って呼んでたしな。」
「へぇ〜。お前ら幼なじみだしずっと今みたいな感じかと思ってたわ」
「及川さん、関係が変わったきっかけは何だったんですかぁ?」
マッキーが、持っていたペットボトルをマイクのように俺の口元に近付ける。にやつく口元を隠そうともしないその態度に、俺は唇を尖らせながらぷいと顔を背けた。
「何でもいいでしょ!言いません〜」
「おい何だよ。思い出は独り占めってか」
「松の言うとおりだ!教えろよ!」
「俺とAの二人だけの思い出だし〜。マッキーとまっつんには言いません〜」
「岩泉はなんか知らねぇの?」
まっつんがターゲットを岩ちゃんに変える。
「知らねぇ」
「え…。マジで?」
「おう」
「岩泉が知らねぇんだったら終わりじゃねぇかよ!!岩泉なんで知らねぇんだよ!!」
「知るか!!俺のせいにすんじゃねぇ!!」
ぎゃいぎゃいと騒ぎ始めた二人とそれを面白そうに傍観する一人。そんな三人を眺めながら、俺はふとあの日のことを思い出した。
頭をガツンと殴られたような衝撃も、
はらはらと頬を溢れる雫も、
…鮮やかに、今も胸に蘇る。
そう、あれはーー、
ーーー君に、堕ちた日。
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雨音(プロフ) - コメントありがとうございますT^Tそんな嬉しいことを言って下さるなんて涙が…更新頑張れそうです(*´◒`*)猫様も体調気をつけて下さいね!本当にありがとうございました(*'▽'*) (2022年4月29日 19時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - まじでこの作品大好きです‼︎体調に気をつけてくださいね。 (2022年4月29日 11時) (レス) @page2 id: fd92b45f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 | 作成日時:2020年7月25日 1時