汗は女の色香なり？ ページ3
「お前すげぇ汗かいてるな」
休憩中、そんなデリカシーのかけらも無い言葉と共に、後ろから襟を軽く掴まれた。振り返らなくても声で誰か分かったから、前を向いたままふて腐れたようにぼそりと呟く。
『…分かってる』
「おい花〜。Aがへそ曲げちゃっただろ」
「あ、わり」
『…別に』
「あれ、マジでどうした？」
「いつもの勢いがないじゃん」
『…るせぇ』
「は？」
『だから！！…恥ずかしいから黙れっつってんの！！』
シーン。
そんな言葉がぴったりなくらい、体育館が静まりかえった。
「え、今恥ずかしいって言った？」
「あのAさんが？」
「恥じらいとかあったんだ…」
『お前ら聞こえてるかんな！！ぶん殴るぞゴラァ！！』
静けさから一転、ざわめく体育館に拳を振り上げながら怒鳴っていると、まつっちゃんが目を見開いたまま口を開いた。
「…いや、だからって言われてもA恥ずかしいなんて言ってないでしょ」
『まつっちゃん揚げ足取んな』
目の前の厄介な二人を鼻息荒くファイティングポーズで威嚇していると、いつの間にか近くにいたはじめちゃんに、ふわりと首にタオルをかけられた。
「そんな恥ずかしがることねえべや」
「…え、」
動きを止めて斜め上を見上げると、はじめちゃんはニッと笑いながら、私の頭に手を置いた。
「Aが頑張ってる証拠だろ。俺は汗かかないで飄々とやってるマネージャーよりも、俺らと一緒になって汗かいて一生懸命やってくれるマネージャーの方が好きだけどな」
………何それトキメきが止まらないんですけど。
「うわぁ、これはズルい…」
「ほんと岩泉ってこういうとこあるよなぁ」
『…はじめちゃん』
何度聞いたか分からない二人の会話を聞き流しつつ、はじめちゃんの両手をぎゅっと握りしめた。
『結婚してください！！』
「はぁ？」
『トキメキが止まらないから責任とって』
「どういう理屈だよw」
「A、結婚は好きな奴とするもんだ」
「岩泉天然問題勃発ww」
『うるっせぇなまつっちゃん。いいんだ、そんなかわいいはじめちゃんも愛してるから』
「やべぇ俺がときめきそう」
「おい花ww」
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雨音(プロフ) - コメントありがとうございますT^Tそんな嬉しいことを言って下さるなんて涙が…更新頑張れそうです(*´◒`*)猫様も体調気をつけて下さいね！本当にありがとうございました(*'▽'*) (2022年4月29日 19時) (
レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - まじでこの作品大好きです‼︎体調に気をつけてくださいね。 (2022年4月29日 11時) (レス) @page2 id: fd92b45f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年7月25日 1時
