卑怯者 ページ21
『ん…あれ…』
目が覚めてしまった。時計を見るといつも起きる時間より少し早い。
…とは言ってもこれから寝る気にはなれない。
『起きるか…』
シャワーに入ってスッキリしたから、朝ご飯作らなくちゃ。
そう思ってるのに、体が動かない。
｢僕、先輩のこと好きですから。｣
昨日の伊月くんの言葉が頭から離れない。あんなの冗談だって分かってるのに…いい歳して真に受けるなんてバカバカしい。
…でも、もし、
もし、あの言葉が本気だったとしたら？
｢考え事？｣
『えっ!?うわっ…びっくりした…。今日は早いね、将大。』
将｢うん。なんか目覚めちゃってさ。健斗はまだ寝てるけど。｣
『そっか。』
将｢なぁ…昨日、何かあったの？｣
ドキリと心臓が跳ねる。
『…別に？将大は心配しなくて大丈夫だよ。』
将｢俺には言えないこと？｣
『ちが、…』
やめて、そんな真っ直ぐな瞳で見ないでよ。
こんなこと言えるわけない……。
『ほんとに違うから！何も無いよ。さ、朝ご飯作らなくちゃ、』
言葉に詰まって話を終わらせてしまった。
…感じ悪かったかな。
でもこんなこと将大にも健斗にも言えない。こんなバカバカしいことで2人を巻き込むわけにはいかないもん…。
将｢…少しは頼ってくれてもいいのに。｣
『え？』
将｢いつもそうやって1人で抱え込むじゃん。そんなに俺たち頼りないの？たしかにまだ出会ってそんなに長い時間経ったわけじゃないけど、俺も健斗もAに救われたんだよ。だから少しでもAの力になりたいのに…｣
将｢救われるだけじゃ嫌だ。守られるだけも嫌だ。俺は、Aのこと助けたい。…でも、Aは違うんだろ。｣
『ご、ごめ、』
将｢…もういい。俺も、ごめん。｣
最低だ、私。
将大のことを傷つけて、
将大は自分の気持ちを伝えてくれたのに、私は何も言えなかった、卑怯者だ。
でも、じゃあどうしたらよかったの？
素直に話せばよかったの？
『わかんないよ…』
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周(プロフ) - みさきさん» お返事遅くなってしまい本当に申し訳ありません…!!! そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです！ありがとうございます(泣) まだまだお話続いていく予定ですので、これからも暇な時に見て頂ければと思います！ (2019年5月19日 23時) (
レス) id: 7272c5782c (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - こんなにも更新が楽しみな作品に久しぶりに出会いました！更新楽しみにしてます！ (2019年4月30日 23時) (レス) id: 94a5c4647a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：喜乃 | 作成日時：2019年2月25日 2時
