お前の弱点【呪術廻戦】

35.手で刀掴む方がスリリングだぞ ページ35

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「油断も隙もないね君」





後ろを振り返った。





別で刀を隠し持っていたみたいで、それを私に向けて走ってきた。別の妖刀持って走ってる。

あれ、動かないように、縄で縛ったはずなんだけど。緩かったかなあ。失敗したみたい。



術式を唱えながらこっちに向かってくる。必死に何度も何度も。その姿を見て、思わず私は笑った。





だけど、なかなか唱えても発動しないから、呪詛師は焦りながらこっちに向かってる。



私は解除してないから使えないよ。言ったよね？最初に。





「術式は使えないって、言わなかっけ。人の話はちゃんと最後まで聞いた方がいいと思うよ。私が言えたことじゃないけど」





うーん。とは言ったものの。私が出来るのは術式解除だけだから、このまま刀を持ったまま走ってこられたら死んじゃう。どうしようかな。



と、悩んだ。多分すぐここまで来る。避けるか、いや避けてもどうせまた刃物持って近づいてくる。どうしようかな。





と思ったけど、そんなに心配する必要はなかったみたいで。





「嬢ちゃん。なかなかスリリングなことしてるみてぇだが、死ぬぞ？」

「死なないと思うよ。それに来ると思ってたし。場所言わなかったのによく分かったよね」

「お前の術式はすぐ分かる。呪力がなくてもな」

「あ、ねぇ術師殺しやってんだっけ？見せてよ」

「ったくしょうがねぇなあ。嬢ちゃんだけだぞ？俺にこんなこと言えんのは」





妖刀を素手で掴む馬鹿が私の前に現れた。

相当馬鹿だよね。なんでどういう効果があるのか分からない、しかも妖刀を。手で掴むかな。





呪詛師は、こいつが誰なのか瞬時に理解したようで。

妖刀から手を離したけど、それは意味がなかった。肩を既に掴んでたから。あーあ。痛いよね分かるよ。今日されたばっかだからさ。分かるよ。少しだけ同情してあげる。





「術式上手く使えないやつが、こいつに挑むのは100年早いんだよ」





と、言いながら呪詛師の妖刀を奪い取り、首を掻っ切った。



あら痛そ。

血飛沫をあげながら、呪詛師は地面とごっつんこ。





私の制服は想定通り血まみれ。そうなる経緯は予想と全然違ったけど。

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