お前の弱点【呪術廻戦】

31.似た者同士 ページ31

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私たちは、本当は仲がいい、のかもしれない。仲がいいの定義がそもそも分からんけど。





禪院、いや伏黒甚爾は、禪院家に生まれたが、呪力を全く持たずに生まれたため、人間として扱われることはなかった、と言っていた。禪院家は、術式が使えなければ人ではない、というまあよく分からん迷言を抱えている。ウケる。



でも、どうにか持っていた、フィジカルジフテッドのおかげで、なんとか上手くやっていけたらしい。





そして私は、家に戻れば月東家の狗になる。いいように使われる。人権なんてものは、家に帰ればない。

お互い境遇辛いね。





いいように使われて死ぬくらいだったら、自分の道を生きる、と決めた2人なので、精神的には最強だと思う。





「で、なんで京都にいんの？」

「用事だ用事」

「教えてよ。私教えたじゃん」

「子供が生まれたからな、それの取引すんだよ」

「禪院家は才能大好きだからってこと。それでお金儲け？」

「そうだ」





可哀想。とは思った。

けど、口には出さない。



それが、呪術界では、当たり前の光景だから。術式を持って生まれれば、将来は安泰だ。なんの心配もなく、生きていける。





甚爾は、術式を持たなかった。



私は、術式を持って生まれた。





だけど、2人ともに家のいいように使われそうになったのを逃げた。その境遇のせいで仲良くなったのかもしれない。





「いい取引できるといいね」

「そうだな。任務さっさと終わらせて帰れよ………あ、今日会合あるらしいからな。五条家で」

「嫌な情報ありがとう。それじゃ」





聞きたくないけど知りたい情報をくれた甚爾に別れを告げ、その場から立ち去った。





「お互い術師殺し、なんて言われてるけど。大変だよねほんと」





八つ橋の店に、向かった。

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