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それから3年がたち、大阪の中学校を卒業した私はやっと京都に戻ってくることが出来た。

なんで引っ越したかっていうと、お母さんの仕事の都合かな。

転勤って言うやつ。

ほんま最悪やったわ。翔くんにサヨナラも言えんかった。

あれから私はめげずにロードを続けた。

そして今まさにロードで近くの山道を走ってる。

私はオールラウンダー。

山もスイスイ走れるしスプリントも苦手じゃない。

でもやっぱりゴール直前のラストスプリントほど気持ち良い物は無いかな。

大会もちらほら合って出場すれば翔くんに会えるタイミングもあったかもしれん。

でも私は翔くんと一緒に走りたいからあえて大会には出んかった。

せっかく京都に戻ってこれたんや。もっかい翔くんに会いたいなあ。

お互い高校生になったんやで、翔くん。

でももう私の事なんて忘れとるやろか。

このデローザ、翔くんが選んでくれたんやで。

翔くんに会うまで手放せんわほんま笑

もーちょいで入学式。

会えたりせんかな?

プルルル

なんやこの番号。見たこと無いな。



『…はいもしもし。』

「あ、小野さんですか?実は小野さんのご両親が…」



『え?』






私の父と母は交通事故で帰らぬ人となった事を伝えられた。


…ロードなんかしとる場合じゃなかった。

あかん、ダメや考えがまとまらへん。

どうしよ、どうしよ、

涙が溢れて止まらん。









遺産の相続など生々しい手続きを済ませる為の時間はいくらあっても足りなかった。

親が亡くなってから半年、私はやっと高校に通う事になった。

お金は補助のお金と遺産でなんとか過ごせている。

勿論一人暮らし。

本当なら高校一年生の入学式から私の高校生活は始まっていたんやけどね。

いつまでもうじうじしとったら、あかん。

半年、半年たったんや。

やっぱり諦めきれんかったロード、毎日ペダルを回し続けた。



そして私は今日から京都伏見高校の生徒となる。

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作者名:Aaa | 作成日時:2020年12月22日 12時

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