双六 ページ33
・
ころころころ……
「えっと……六、やったぁ! 姉さん抜かせた! って、十マス戻る……?」
『あぁ……』
「しのぶ、頑張ってねぇ〜」
「何!? 別に良いじゃん!」
しのぶちゃんはぷんぷんと怒っている。それはそれで良いんだけど……
「まぁ良いじゃない。Aはまだ三十五マス中、七回賽子をふったのに十二マス目なんだから」
『ちょ、言わないでカナエちゃん……』
一が出すぎなんだよね、これ。でもカナエちゃんは三、二、一が出た事無いから何で? と数十秒に一回は頭の中に出てくる。
しのぶちゃんもしのぶちゃんで出目は大きい方だから、私だけ最初の方でさ迷ってる感じ。楽しいから良いんだけどね、別に。
『別にこれ十マス進むとかもあるわけだし…… 私はそれを狙ってるだけたからね!?』
「え、でもそのマスが当たってないじゃん」
『それも言わないで……』
片っ端から正論で返される。しのぶちゃんが無理矢理言いくるめるとかってあるのかな、と一瞬思ったけど流石にあるか、と自己解決した。
ころころころ……
「四、ゴールね!」
『早いなぁ……』
そして、時間は楽しいという時にこそ早く過ぎる。気づけば、夕方になっていた。
『今日はありがとうね。双六も、ちょっとした手合わせも、全部楽しかったよ』
「うん、またいつでも来て良いから!」
「そうね。いつでも、遠慮無く来てほしいわ」
『うん、じゃあね!』
手を振ると、振り替えしてくれた。
しのぶちゃんはぶんぶんと、二人とも笑顔で、心底楽しそうで良かった。
28人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまな - ごそごそしてたらリンクとかの意味がようやくわかり、続編にこのまま行けるようになりました!これについて調べすぎてて続編全く更新してなかったのも本当にすみません! (2021年8月18日 8時) (レス) id: 2aceacd008 (このIDを非表示/違反報告)
あまな - 神代優花さん» 頑張ります! (2021年7月4日 17時) (レス) id: 2aceacd008 (このIDを非表示/違反報告)
神代優花 - 頑張れー更新頑張れー (2021年7月3日 10時) (レス) id: 5b5a130973 (このIDを非表示/違反報告)
あまな - 雑でも、少しでも良いです。リンクなどの説明をしてくれるとありがたいです。 (2021年7月2日 15時) (レス) id: 2aceacd008 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あまなくん | 作成日時:2021年5月25日 19時