君が何をしたって【鬼滅の刃】

家？ ページ19

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「チッ……」


少し頬に生暖かい何かがついた。


私にはこれが何かすぐわかる。



「お前は目ェつぶって後ろ向いとけ」



『えぁ、はい』



言われた通りに目をつむって、後ろを向いた。この行動の意味は、全くわからなかった。



シュッッッ



「……傷は無いか？」




『だい、じょうぶです』



「家、夜、ああいう奴が出るから出来るだけ送るが、嫌なら言え」



『えっと……近くなので、大丈夫です。ありがとうございます』




「……そうか。じゃあな、夜にはあまり出歩くなよ」



『はい』



……嘘、ついちゃったなぁ。

家なんて無い、三年以上前の大雨で壊れて、そこには赤黒く血が染み着いた家の瓦礫と。

一度瓦礫に埋もれてしまって土が崩れた変な形の土と家族の塊。




……とりあえず、あの人にここまで言っちゃってしょうがないから、適当にここから離れよう。

そうだな、ちょっと遠いけど、狭霧山に帰ろう。


今日は疲れた。


狭霧山……家に、帰ろう

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