君が何をしたって【鬼滅の刃】

場所 ページ42

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夜、山菜を採り終え家に帰った。



『ただい、ま……？』


この家は合わせて二つ、小さな部屋がある。この戸から奥と、今ある部屋。その奥の方の部屋から血生臭い匂いがする。

冷や汗がぶわっと全身から出てくるのがわかる。


ドタッ


何か、音がした。

何かが落ちる音。


すうぅぅぅぅ……と、ゆっくり、少しずつ戸を開けた。少し開けた瞬間からさっきまでしていた血生臭さが酷くなって。



部屋を見た。



『っ!?』



驚きと恐怖で言葉が出ない。


だって＿＿＿＿




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誰かが血まみれの陽希を抱き上げていたから。

その近くには何か、”怪物”のような物が頚を斬られてて。全く意味がわからなかった。



『……陽希を、離せ！』



ただ、その言葉は怒りとしてあらわれた事はわかった。




「残念だが、この怪物 ……鬼に喰われていた所に出くわした。間に合わなくて、本当に申し訳ない。

とりあえず、埋葬してやらねばならない。……他の家族は？」



私は、この人が陽希を血まみれにしたかもしれないというのに、なぜか、こう口走っていた。



『お母さんは数年前に病気で。お父さんは三日前くらいに、熊に喰われた。兄弟は、弟……陽希以外、居ない』



弟じゃなくて、同じ。そう言ってたのを思いだし、言い直した。



「……そうか。名は鱗滝 左近次と言う。行く宛がないなら小さいが、場所がある。どうする？」



私には、もう、何も場所は無い。でも、生きないといけない。簡単に諦めちゃいけないって、お母さん……が、言ってた。



『……小さくても、良いです。その場所に、行きます』



だから、そう答えた。

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