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「Hey!」
「よっ!」
「うわっ、なにお前らくっついてんの。気持ちわりい」
「北斗のクラスここなんだ」
ほぼ同時に聞こえてきた4つの声の方へ俺と樹の顔が向いた。
赤髪、茶髪、黒髪に金メッシュ、金髪。
見慣れた姿に笑みが溢れた。
樹「お前ら遅えよ」
慎「だって高地飯食うの遅かったんだもん」
ジ「こいつメロンパンこんなんなってかじってんの!Aha!」
高「そんなリスみたいに食べてないわ!」
京「高地、うるせえよ」
4人とも我が物顔で教室に入ってくる。
樹が入ってきたときと同じで、またクラスのヒエラルキーの上層の奴らの男子が「え?お前らまでなんで!?」と言っている。
それでもって、やっぱり女子は言葉を発していないが、目で追っている。
男子たちに「うちの北斗をよろしくね」なんて言っているジェシー、「お前ここのクラスになったんだ!」と言っている慎太郎、「おお!」と久しぶりの再会みたいな顔をしている高地、「よっ」と軽く交わしている京本。
この4人と樹の5人がここのクラスだったら確実に上層で、今実際に上層の奴らは中層に下がるな、なんて思った。
そんな人たちが俺の友達だなんて今でも不思議に思う。
俺の席まで来た4人は、俺の机を囲むようにして立っている。
こう見ると、背がデカいな、と思う。
なんだか圧も感じるし。
樹「こいつ寂しそうな顔して死にそうだったの」
ジ「北斗うさぎちゃんだね!」
北「べつに死にそうになってねえし、うさぎでもないわ!」
京「思っていたより元気そうじゃん」
北「……だから元気じゃないわけでもないから」
慎「あれ?クラス違くなってきょもほくなんだか気まずくなってない?」
ジ「じゃあ愛してるゲームしなよ!」
北「いや、なんでそうなるんだよ」
京「俺はべつにいいけど」
北「え、嫌だよ」
ジ「じゃあ、高地!俺とやろうよ!」
高「なんでそうなるんだよ!」
樹「待って!俺、高地とやりたい!今度こそは勝つし!」
高「やらねーよ!」
ふと教室内を見渡してみると、クラスの奴らのほとんどが俺たちに目を向けていた。
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作者名:雨中遊 | 作成日時:2021年7月19日 17時