【A3!】 お庭番長の妹さん。 【茅ヶ崎至】

い　も　う　と　48 ページ49

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「えっと、塩、塩.....」


昨日の夜、衝撃の事実を聞いてしまった訳だが。
まだ至さんとは会っていない。
というか会って “ 至さんってたるちさんだったんですね！！ ” と言える勇気はない。
早朝、朝ごはんを作りながら、そんなことばかり考えてしまう。


ありがたいことに、今日は休日だからか至さんはまだ起きてきていない。
＿＿＿いや、多分徹夜でゲームをしているはずだ。
今日は夏組と冬組が朝稽古をしているから、他の団員たちはまだ起きてきていない。


「あ、左京さんおはようございます。」

「あぁ。...早いな。」

「今日は私が朝ごはん担当なので。」


談話室に入ってきた左京さんは、相変わらず朝が早い。
今日もヤのつくお仕事に向かうのだろう。


「お前が来てからは、伏見や皆木、それに監督さんの負担がだいぶ減って助かってる。」

あいつらも自分の仕事に集中できるしな、と中々ありがたい言葉を頂戴した。
優しい笑みを浮かべる左京さんはとてもヤのつく職業についているとは思えない。


「えへへ...嬉しいですね、そう言われると。」


照れくさくなって頬をかくと、お前は生活習慣がなってないからな...なんてガミガミと文句を付け足すもんだから、結局いつも通りの左京さんになってしまった。

仕事に向かう左京さんを見送ると、今日の予定を頭の中で立てる。
今日は特に遊ぶ予定もいれてないし、大方家事を軽く済ませたら後は暇になってしまうだろう。

(いや、その家事すら今日は臣ママもいるし、なくなっちゃうかもなぁ...)

そこまで考えたところで、イラストの依頼が溜まっていたことを思い出した。
確か歌い手さんのオリジナルPVか何かのイラストの期限が迫っていた気がする。

(今日やっといた方が楽だよなー...)

これでも一応、絵師として依頼が来ることもあるのだ。まだまだ駆け出しだが。


「...っよし。ちゃっちゃと洗濯終わらせて、仕事しよーっと！」


気合いを入れて腕まくりをしたところで、来客を知らせるインターホンが水を差すようにMANKAI寮に鳴り響いた。
こんな朝早くに来客とは、珍しいこともあるものだ。

(さては誰か宛の宅配便だな？？？)

まったく、誰ですか宅配便頼むなんて頼んだの...なんて独りでに呟きながらMANKAI寮のドアを開けると、そこに立っていたのは＿＿＿綺麗なお姉さんだった。


「えっと...どちら様で？」

「茅ケ崎くん、います？」

「...うぇ」


思わぬ、来客でした。

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